今夏のサッカーインターハイは混戦模様 青森山田の対抗馬となりそうな学校は?

平野貴也

昌平の荒井、東山の阪田らJ内定選手も

昌平高校のMF荒井は、ルヴァン杯でプロ公式戦も経験済み 【平野貴也】

 また、神村学園のMF大迫だけでなく、ほかにもすでにJクラブ加入が内定している選手がいる。パスワークが巧みでプリンスリーグ関東1部の首位に立っている昌平高校(埼玉)は、U-19日本代表MF荒井悠汰(3年)がFC東京に加入内定。すでにルヴァン杯で3試合、プロの試合を経験しており「オフザボールの動きを変えて、相手の嫌がることが少しできるようになったかなと思う」とレベルアップに取り組んでいる。ドリブルで攻撃の起点となるだけでなく、関東1部では得点ランクトップ。「インターハイは一発勝負でやりづらさはあるけど、自分がもっとチームを楽にさせたい」とけん引役を務める覚悟を示した。

 もう一人、東山高校(京都)のMF阪田澪哉(3年)もC大阪に加入が内定している。東山は、昨季は、夏も冬も全国ベスト8。冬の全国高校選手権は準々決勝で敗れたが、優勝した青森山田に1-2と最も肉薄した。2年生の多いチームだったため、主力が残っており、有力候補に名の上がるチームだ。中でもMF阪田は、スピードのあるドリブルで攻撃の主軸となっていた。U-18日本代表にも選出されており、右サイドからのアタックでチームの攻撃を引っ張る。ほかに、履正社高校(大阪)のMF名願斗哉(3年)もプロ入り濃厚の実力者で、ドリブルからゴールを生み出すプレーには注目が集まる。

最大の敵は、またもコロナか

 注目されるチーム、選手が集う今夏のインターハイは、群雄割拠。勝ち上がりの予測が難しい。プレミアリーグWESTでは、静岡学園高校(静岡)が3位につけているが、県大会で磐田東高校に敗れて全国切符を逃している。インターハイは、一発勝負のトーナメント。夏場に7日間で最大6試合を行うため、試合時間が70分とリーグ戦の90分より短い。一瞬の隙が決定的なダメージになる。上位候補が力の差を見せつけて勝ち上がるのか、短期決戦で勢いを得る新興勢力が台頭するのかは、一つの大きな見どころだ。

 そして、参加チームにとっては、戦いの前に最大の敵がいる。第7波が流行している新型コロナウイルスだ。7月に入ってから、チーム内感染者発生のために延期されている公式戦が続出している。昨季は、冬の全国高校選手権で準決勝まで勝ち上がった関東第一高校(東京)が、新型コロナウイルスの陽性者が出たため辞退を余儀なくされる出来事もあった。その関東第一も全国大会出場を決めており、FW本間凛(3年)は「(準決勝で対戦予定だった)大津と戦いたい」と幻のカードの再現を望んだ。無事にピッチに立つという最初の戦いを乗り越え、ライバルとの争いを制して頂点に立つのは、果たしてどのチームか。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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