ブレックス・メンタリティでつかんだ頂点 “遠ニスト”も忘れられないCSに!
激戦を乗り越え優勝を決めた瞬間、遠藤選手は喜びを爆発させた 【(C)B.LEAGUE】
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最高のシーズンを振り返り
振り返るとシーズンの開幕戦、群馬に2連敗で始まったブレックス。そこから、少しずつ勝ちを重ねていったけれども、接戦を落としてしまう、勝ちきれない、4ピリで失速してしまう…。
Bリーグ・2シーズンの後の大がかりな選手移籍があったシーズンよりも、負けの悔しさをとても感じた気がします。今シーズンは、負けるたびに気持ちを切り替えながら「作り上げていく」1年でした。
それでも、チームを見ていたらブレックスの軸は変わらないんだということはブレックスファンのほとんどがシーズンの序盤で感じたはずです。いつか、この歯車が合えば必ず強いブレックスになれると信じて、安齋竜三ヘッドコーチ率いるブレックスの背中を押していました。
日本人選手は入れ替えがなく、長くブレックスに在籍する選手も多いので、“ブレックス・メンタリティ”は崩れることなく新しいブレックスを作り上げてくれると信じて、毎試合、応援をしました。
「新」加入ではないかもしれない2人の戦力
フォトゥ選手は、みなさんご存じのとおり伝家の宝刀、フックシュートが武器です。これも試合を重ねるごとに他の選手との息があってきたことで、シール(相手選手に密着して自身に有利なポジションを作り上げること)のタイミングや角度など…精度を増して生きるプレーができてきたなと感じました。
フィーラー選手は、シーズン途中でボールを運ぶ役割も与えられた時からより伸び伸びとプレーをしている感じがしました。
ディフェンス面で言えば、ブレックスのシステムを頭と体で覚えるのはおそらく大変だったとは思いますが、それでも気づけばブレックスに何年も在籍していたかのようなディフェンスをする2人の順応力の高さは一ファンからしても、とても頼もしいものでした。
最強の挑戦者となったCS
最強の挑戦者たちはどんなに追い込まれた場面でも笑顔を忘れなかった 【(C)B.LEAGUE】
セミファイナル(準決勝)では永遠のライバル・川崎ブレイブサンダースが相手となりました。
2戦とも、最後までどちらに転ぶかわからない接戦となったわけですが、フィーラー選手、ジョシュ・スコット選手がヒーローとなったことからもわかるように、オフェンスリバウンドがキーになりました。フィーラー選手の見事なプットバックには何度助けられたことか…CSでの彼のプットバックだけを集めても、かなりの数になる気がします。
アウェーで強敵を4連勝で倒したブレックスは、ついにファイナルを迎えます。
対戦相手は、レギュラーシーズンでの対戦では逆転負けをしている琉球ゴールデンキングスです。Bリーグ史上最高勝率(8割7分5厘)で西地区優勝を果たした相手との試合が、激戦になることは必至でした。
しかしファイナルでのブレックスは、逆転されても離されない、追いついたらリードを許さない、追いかける展開でも我慢して自分たちのディフェンスを続けてチャンスを狙う、そんな戦いぶりを見せました。レギュラーシーズンで勝ちきれず、逆転負けしたあの時とは真逆と言っていいほどでした。特にCSに入ってからは、劣勢の場面でもブレックスならできるという強固な信頼がありました。きっと、ブレックスファンのみんなが同じことを思っていたと思います。
比江島選手が負けずにアタックし続け、センター陣が合わせる、アウトサイドがスリーを狙う、取れなくても触ろうとリバウンドを取りに行くーーこれを続けて強敵・琉球を2連勝で倒しチャンピオンとなったのです。
今年は昨シーズンと違った感覚だと、選手も言っていました。田臥勇太さんがよく「自分たちは挑戦者」と仰っていますが、今シーズンはワイルドカードとしてのCS出場。本当の意味で挑戦者として挑んだことで、やるべきことだけに専念できたのではないでしょうか。
加えて昨シーズンと違うなと思ったのは、選手が楽しそうにバスケをしているということでした。あんなにコートでもベンチでも楽しそうにバスケをする選手を見て、私もすごく嬉しい気持ちになりましたし、勝つたびにファイナルが近づく緊張感よりも次の試合で選手が楽しくバスケをする姿を見ることが楽しみになっていました。
ブレックスの選手がたくさんの悔しさを糧に頑張ってきて、最後にCSで楽しそうにバスケをしている姿、チャンピオンになって泣いて喜んでいる姿を見られたことが最高に幸せでした!