連載:女子バスケがいまアツイ!! 〜歴史的シーズンのクライマックスを堪能する〜

町田瑠唯、2人の選手から得た自信 さらなる高みを目指してアメリカへ

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東京五輪での銀メダル獲得に導いた町田。今度は世界最高峰・WNBAのコートで腕を試す 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 東京五輪での銀メダル獲得に沸いた日本女子バスケ界に2021-22シーズン、ビッグニュースがもう一つが舞い込んだ。町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)のWNBA挑戦である。関係者の間ではすでに高い知名度と実績を誇っていた彼女が、今季さらなるステップアップを果たした陰にあるものとは――。幼少時代のエピソードとともに、東京五輪、Wリーグを通しての進化の軌跡をたどる。(文/三上太)

自らの長所をより引き出すために

 東京五輪での活躍により、町田は日本女子バスケットボール界の“顔”ともいえる存在になった。彼女を見たいと思うファンも増え、取り巻く環境は大きく変化する。だが、町田はそうした周囲のプレッシャーさえも成長の糧とした。「自分が新しいバスケファンの"入り口″になって、富士通や違うチーム、ひいてはバスケットが好きになってくれたら――」。現状をポジティブに受け入れ、町田は新たなステージに歩を進めたのである。

 五輪後の進化は、周囲のプレッシャーをプラスに転じただけに止まらない。当然、プレーヤーとしても東京五輪を挟んだ前シーズンと今シーズンとでは大きく進化している。その一つが、かねて町田が課題にしていた得点力のアップである。

 もともとは、オリンピックでの結果が示すとおり、自らの得点よりもチームメイトへのアシストを得意としてきた。実際、Wリーグでのキャリアの半分以上はリーグのアシスト王に輝いている。

 ワシントン・ミスティックスとの契約記者会見では、富士通を指揮するBTテーブスヘッドコーチも「ルイは視野が広くて、パスの技術は特別。スピードもリーグのナンバーワンかもしれない。WNBAでも同じことをできる選手はそんなにいません」と評価したほどだ。

 もう一歩踏み込んでいえば、視野の広さとパススキルの高さだけでなく、ゲームの流れをくみ、状況の有利不利を瞬時に見極め、的確な判断を下す力に長けている。けっして広くはないバスケットコートの中で、自分を含めた10人の選手がさまざまな思惑(役割)でプレーを遂行しようとすれば、局面ごとの有利不利は刻一刻と変わってくる。それを瞬時に見極め、的確なアシストを送るのが町田の真骨頂であった。

 しかし、近年のWリーグには世界的な名将も参戦している。トヨタ自動車のルーカス・モンデーロは女子スペイン代表の前ヘッドコーチだし、デンソーのマリーナ・マルコヴィッチは女子セルビア代表の現役ヘッドコーチである。彼らだけでなく、どのチームも相手チームの分析を担当するアナリストを置くなど、どうにかして富士通オフェンスの起点である町田のパスを抑え込もうとする。それを打破しようと思えば、自身の得点力を上げて、ディフェンスの的を絞らせないようにしなければならない。
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