打順別・最強打者は誰だ!?<1番打者編>

首位打者の大島洋平に、復活した西川遥輝 谷繁元信と岩本勉が今季の「1番打者」を診断

柴山高宏(スリーライト)

高部を起用する井口監督のこだわり

新型コロナウイルスの影響で調整が遅れた荻野貴司に代わり、1番に座る高部瑛斗(ロッテ) 【写真は共同】

 フレッシュな顔ぶれが見られるのがパ・リーグだ。今季のオープン戦で打率1位(.393)の高部瑛斗(ロッテ)が全試合、2位(.333)の鈴木将平(西武)が2試合を除いて、1番打者として出場している。

 なかでも、「井口資仁監督がこだわって(起用して)いるように見える」と岩本が語る高部は現在、打率.275(リーグ9位)、19安打(3位)、5盗塁(2位タイ)、出塁率.338(12位)、長打率.275(17位)。売り出し中のスピードスターに期待している谷繁は、「ちょうど今、疲れが出てきているのではないか」と見ている。

「高部はキャンプ、オープン戦を乗り切って、1番打者として出場し続けている。結果を残し続けなければならないというプレッシャーもある。ただ、レギュラーの選手は出場しながら、疲れをとらなければならない。もっともっと頑張らないと」(谷繁)

輝きを取り戻した西川遥輝

 首位の楽天で獅子奮迅の活躍を見せるのが、日本ハムから移籍してきた西川遥輝だ。今季は1番打者として全試合に出場しており、現在、打率.362(2位)、3本塁打(2位タイ)、14打点、14得点(ともに1位)、4盗塁(4位)、出塁率.475、長打率.638(ともに1位)。OPSは1.113で、パ・リーグ唯一の1.000超え。クリーンアップ顔負けの、ダントツの成績を残している。

 そんな西川を谷繁は「日本ハムにいたときよりも泥臭さを感じる。忘れていたものを思い出したような」と評し、岩本は「肩に不安があってヘッドスライディングを避けていた西川が今季、ユニフォームを泥々にして、がむしゃらになっている。なりふり構わない西川の姿に、男の意地を感じる」と、目を細める。輝きを取り戻した西川が、新天地で躍動している。

開幕から1番打者として定着した三森大貴(ソフトバンク) 【写真は共同】

 16日、17日に行われた楽天との首位攻防戦で連敗し、2位に順位を落としたソフトバンクだが、今季は開幕から8連勝を挙げ、11勝5敗1分と好調を維持。ここまでのチームの快進撃は、若きリードオフマン・三森大貴の活躍を抜きにして語れないだろう。

 昨季途中から一軍に定着した三森は、一番打者としてチーム最多出場。今季は開幕から一番を任され、打率.360(3位)、18安打(4位タイ)、2本塁打(5位タイ)、9打点(4位タイ)、10得点(2位)、2盗塁(11位タイ)、出塁率.439(4位)、長打率.560(2位)。OPSは西川に次ぐ.999をマークしており、谷繁、岩本ともに「今季、最もよく頑張っているパ・リーグの1番打者」「バッティングのミート率も上がっている」と、手放しで褒め称える。

「三森の成績がそのままチーム成績に反映されていると言っても、なんらおかしくない」と岩本。チームの浮き沈みを左右する、三森を始めとする1番打者から目が離せない。

(動画編集:井上祐太、企画構成:スリーライト)

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