鳥谷敬が2022年パ・リーグ○×予想 「佐々木朗希はローテに入れば15勝は妥当」
昨季のヤクルトとの日本シリーズでは第1戦と第6戦に登板。東京五輪でも開幕戦と準決勝を託された絶対的エースの山本由伸 【写真は共同】
※リンク先は外部サイトの場合があります
オリックス:山本由伸が20勝以上を挙げる
――昨季、18勝5敗、防御率1.39と、とてつもない数字を残して沢村賞を獲得した山本由伸投手。今季は「20勝」の期待がかかりますが、実現できると思いますか?
鳥谷 山本投手の実力は素晴らしいものがありますが、これは難しいと思います。20勝となると、ローテーションで28〜30試合は投げる必要が出てきます(昨季は26試合)。昨年200イニング近く(193.2イニング)投げた中で、少なからず疲労も残っているでしょうし、中6日で1年間投げることは考えづらい。また、近年は相性のいい球団にぶつけるために、あえてローテーションを1回飛ばす起用法も増えています。総合的に考えて、「そこまで無理をさせないのでは?」というのが一番の理由です。
――球数を見ながら、早めに交代する展開もあるかもしれません。
鳥谷 そうですね。0対0の展開であっても、7回に100球を超えたことによって、継投策に入ることも十分にあると思います。
――ピッチャーとしての魅力はどこに感じますか?
鳥谷 どの球種でもストライクが取れて、空振りを奪えることです。ストレートだけではなく、変化球の質も含めて、すべてが別格。残念ながら、実際に対戦した経験はないのですが、一度は打席に立ってみたかったです。防御率1.39は今のプロ野球界では考えられない数字ですね。
ロッテ:佐々木朗希が15勝以上を挙げる
佐々木朗希は昨季11試合に登板し、3勝2敗、防御率2.27。3年目の今季は最多勝争いに加わることも期待される 【写真は共同】
――鳥谷さんの元チームメイトでもある佐々木朗希投手は、順調にステップを踏んでいます。今季、15勝以上挙げることはできますか?
鳥谷 挙げると思います。ヤクルトの奥川投手と同じように、「1年間ローテを守れれば……」という条件が付きますが、ローテに入れば、15勝ぐらいは普通にする力を持っています。
――普通に、ですか。近くで一緒に戦っていて、どんなところにすごさを感じましたか?
鳥谷 ピッチングのすごさは誰が見てもわかると思いますが、一緒にいて感じたのは「野球に対する意識の高さ」です。トレーニング、食事、サプリメントなど、すべてのことを野球のために使っていて、とても20歳とは思えませんでした。体格や才能に恵まれているだけでなく、考え方も優れています。
――将来がより楽しみになるエピソードですね。技術的にはどうですか?
鳥谷 ストレートはもちろんのこと、あれだけの角度から落ちてくるフォークはなかなか打てません。バッターからすると、想像以上の落差を感じるはずです。さらに言えば、非常に器用なピッチャーで、フォアボールで崩れる心配がないところも魅力です。
楽天:田中将大が投手タイトルを獲得する
好投を見せるも、白星に見放された昨季の田中将大。輝きを取り戻すことはできるか 【写真は共同】
――昨年、日本球界に復帰した田中将大投手。防御率3.01の数字を残すも、攻撃陣とうまくかみ合わず、4勝9敗に終わりました。復帰2年目、投手タイトルを獲得できますか?
鳥谷 オリックス・山本投手の存在もあるので難しいですかね。勝利数、勝率、防御率、奪三振……。いずれも山本投手を上回ることができるかというと、「○」を付けづらいところです。
――では、今季、田中投手にはどのような働きに期待したいですか?
鳥谷 チームとしては、田中投手で貯金を作ることが、優勝の絶対的な条件になります。試合を作る能力は間違いなく持っているので、あとはそこに白星が付いてくるか。たとえ防御率が良くても、白星が伸びてこないと、「何とかしないといけない」と野手にもプレッシャーがかかるものです。白星が先行することによって、すべての成績も上がっていくと思うので、序盤戦の結果がシーズン全体にも関わっていくのではないでしょうか。