鳥谷敬が2022年パ・リーグ○×予想 「佐々木朗希はローテに入れば15勝は妥当」
ソフトバンク:柳田悠岐が三冠王を獲得する
――昨季は打率.300、28本塁打、80打点をマークした柳田選手。過去には首位打者を2度(15年、18年)獲得していますが、強打者の多いパ・リーグで三冠王を獲得できますか?
鳥谷 打撃タイトルに関しては、オリックスの吉田正尚選手がいるので、すべてを独占するのはさすがに厳しいです。僕は今、日本球界でもっとも優れた技術を持っているのが吉田選手だと思っています。
――柳田選手にとって、もっとも近いタイトルは何だと考えますか?
柳田 ホームランか打率ではないでしょうか。一番難しいのが打点王だと思います。なぜなら、チーム事情で1番や2番を打つことがあるので、チャンスでの打席がほかの強打者に比べると減る可能性があるからです。3番や4番に固定されるのであれば、打点王も見えてくるとは思います。
日本ハム:清宮幸太郎が20本塁打を打つ
プロ入り4年目の昨季、初めて1軍での試合出場がなかった清宮幸太郎(右から2人目)。春季キャンプでは中日の立浪和義監督が打撃指導を行ったことも話題に 【写真は共同】
――「減量」が話題の清宮選手ですが、早いものでプロ入り5年目を迎えます。ルーキーイヤーの18年から3年連続で7本のホームランを打ち、計21本。飛躍の期待がかかる今季、20本以上のホームランを打つことはできますか?
鳥谷 打ってほしい気持ちはありますけど、現状では難しいと思います。なぜなら、1年間レギュラーとして試合に出るイメージが、まだ湧かないからです。ポジションの兼ね合いもあり、レギュラーを獲るには競争が必要。もし、スタメンを勝ち取って、年間通してフルで出られるのなら、20本打つだけの力は持っています。飛距離はズバ抜けたものがありますから。
――そうなると、新庄剛志監督の起用法にも注目ですね。
鳥谷 昨季、ファームで清宮選手のプレーを見る中で、「波が激しい選手」という印象を持ちました。状態が良いときは素晴らしいバッティングを見せますが、悪いときはなかなか結果が出ない。そこで、ネックになるのが守備と走塁です。バッティングの状態が悪くても、守備と走塁でチームに貢献できるのであれば、起用の幅が広がりますが、現状の清宮選手はまだそのレベルではありません。
西武:山川穂高が本塁打王に返り咲く
――18年、19年と2年連続で本塁打王に輝いた山川選手ですが、ここ2年は試合中のケガもあり、タイトルを逃しています。今季、本塁打王に返り咲くことはできますか?
鳥谷 返り咲く、か……。この質問は難しいですね。正直、ケガの仕方が気になります。デッドボールや交錯ではなく、「もしかしたら防げたのではないか」と思えるケガです。2年前は打席でのスイングで足首を捻挫して、昨季はホームランを打ったあとに一塁ベースを踏み外しての肉離れ。こういうケガが続くと、またやってしまうのではないか……と心配になるところがあります。
――チームにとっても、山川選手の完全復活は優勝争いに欠かせません。
鳥谷 1年間ケガなく出場できたら、間違いなく、本塁打王争いに加わってくるはずです。とにかく、心配なのはケガだけ。本人も2年続いているわけですから、期するところがあると思います。
鳥谷敬(とりたに・たかし)
阪神で16年、ロッテで2年。セパの人気チームで多くのファン、選手に慕われた鳥谷敬(写真右) 【写真は共同】
(企画構成:スリーライト)