ファンが選ぶ「水島新司漫画・人気キャラクターランキング」トップ20
野球漫画の第一人者として名物キャラクターを多く生み出した水島氏の作品。その中で最もファンが支持した選手は? 【写真提供:オグマナオト】
1位:殿馬 一人(ドカベン/二塁手) 1,647票
2位:岩鬼 正美(ドカベン/三塁手) 1,427票
3位:山田 太郎(ドカベン/捕手) 1,248票
4位:景浦 安武(あぶさん/代打・外野手) 1,137票
5位:里中 智(ドカベン/投手) 841票
6位:水原 勇気(野球狂の詩/投手) 795票
7位:不知火 守(ドカベン/投手) 623票
8位:中西 球道(球道くん/投手) 447票
9位:岩田 鉄五郎(野球狂の詩/投手) 397票
10位:藤村 甲子園(男どアホウ甲子園/投手) 328票
11位:景浦 景虎(あぶさん/投手・DH) 268票
12位:微笑 三太郎(ドカベン/外野手) 262票
13位:火浦 健(野球狂の詩/投手) 217票
14位:真田 一球(一球さん/全ポジション) 207票
15位:犬飼 小次郎(ドカベン/投手・監督) 205票
16位:土井垣 将(ドカベン/一塁手・監督) 151票
17位:岡本 慶司郎(おはようKジロー/二塁手) 136票
18位:新田 小次郎(光の小次郎/投手) 116票
19位:坂田 三吉(ドカベン/投手・外野手) 107票
20位:土門 剛介(ドカベン/投手) 84票
イチローが1・2番コンビを懇願した「秘打男」
明訓高校不動の2番セカンド、殿馬一人。卒業後はイチロー本人たっての希望でオリックス入り。イチローとの1・2番コンビでパ・リーグを席巻した。 【写真提供:オグマナオト】
あのイチローも憧れたキャラクターで、『ドカベン』が「プロ野球編」として再始動する際、水島先生にイチロー自ら「殿馬はオリックスに入団させて自分と1・2番コンビを組ませて欲しい」と懇願したほどの選手だ。
「予測不能の秘打で何をするか分からない。私も体が小さいので憧れた」(30代男性)
「個性こそ最強の武器。野球は体力だけの競技ではないと教えてくれた」(50代男性)
「異次元の秘技がたまらない」(30代男性)
独創的でありながら、非力さを補う遠心力打法、秘打「白鳥の湖」を筆頭に、「美しき青きドナウ」「G線上のアリア」などなど、選評でもやはり「秘打」を讃えるものが多かった。『ドカベン』における“ベストバウト”と名高い高校2年春のセンバツ決勝、土佐丸高校戦で放った「優勝決定逆転サヨナラホームラン」の印象も強いのではないだろうか。
山田太郎と並ぶもう一人の主人公
山田・岩鬼・殿馬・里中の“明訓四天王”が全員5位までにランクイン。『大甲子園』が始まるときも、シリーズ最終話でも、大事な場面ではいつもこの4人。 【写真提供:オグマナオト】
「グワラキーン。真っ直ぐが打てない。守備、走塁、なまり、マンガのヒーローの代表。夏子はん」(40代男性)
「豪快でユニーク、コンタクトしたら真ん中が打てるみたいな特徴が好き」(30代男性)
そんな「悪球打ち」評価と並んで岩鬼に対するコメントで多かったのは、「岩鬼もまた『ドカベン』の主人公だった」という点だ。
「岩鬼は山田太郎と並ぶもう一人の主人公」(40代男性)
「ドカベンは岩鬼と山田太郎の二人が主役だと思う。キャラクター的には地味な山田だけではドカベン人気は無かったでしょうね」(40代男性)
実際、この「もう一人の主人公」という指摘は正しい。水島新司が『ドカベン』の連載企画を編集部に提案した際、顔が隠れるキャッチャーが主人公。しかも寡黙で目が細く、ずんぐりむっくり……という設定に難色を示されたという。
そこで考案したのが山田とすべてが対になる存在、岩鬼正美なのだ。「不言実行の山田」に対して「有言実行の岩鬼」、「静なるキャッチャー山田」に対して「派手で華のあるサード岩鬼」、「正攻法の強打者・山田」に対して「悪球打ちの岩鬼」……シリーズ総決算「ドリームトーナメント編」の最終話が山田と岩鬼の回想だったのもうなずける。