江本孟紀、槙原寛己、里崎智也がCSを切る! プロ野球・新旧おしゃべり番長座談会
左から槙原寛己、江本孟紀、里崎智也 【スリーライト】
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CS進出に一定の制限を
江本 CSは要らないですよ。セ・パ各6球団中、上位3球団が出場できるというのは、いくらなんでもハードルが低すぎる。ファンの興味を引くし、営業面からもプロ野球界として実施したい事情は分かるけど、それならCSの進出条件をもっと厳しくしないとね。
里崎 僕はあったほうがいいと思います。CS廃止派の主な理由は「1位のチームは一体何のために長いシーズンを戦ってきたんだ」「両リーグ1位同士の日本シリーズが観たい」ということだと思います。それはごもっともなんですけど、20年を思い出してほしくて。この年はコロナ禍の影響でセ・リーグだけCSが中止になってしまい、10月30日に巨人が優勝を決めた後、セの残り試合はほぼ消化試合になってしまった。その間、メディアはほとんどセ・リーグのことを取り上げなかったんですよ。CSがなくなると、かつてのように夏場過ぎには消化試合になるチームが出てくる恐れがある。それで野球に対するメディアの扱いが減ると、野球界の衰退につながるのではないかと危惧しています。
槙原 僕もCSはこのまま続けてもらいたいと思っているけど、江本さん同様、進出できるチームにもっと条件を設けた方がいいと思っています。現状の、自動的に3位までが勝ち上がれるというのは、どうなのかな。首位と10ゲーム差以上離れている場合は2位でもCSに進出できないとか、それくらいの制限があってもいいと思います。
消化試合は解説者的にも勘弁!?
江本 CSに興味がある人の中には、シーズン中にあまり野球を見ていない人も含まれているんじゃないかな。こういうお祭り的な、みんなが注目するイベントに乗っかりたい人が、CSは続けてほしいと言っているんじゃない?
槙原 いや、江本さん、CSは僕も興味があるので見たいです(笑)。
一同 笑い。
江本 そもそも「3位以内に入れればなんとかなるだろう」という、首脳陣や選手の考え方はよくないよね。レギュラーシーズンのレベルの低下につながらないかと、僕は危惧しているわけですよ
――里崎さんはロッテでの現役時代にCSを経験し、10年にはリーグ3位のチームが初めて日本一になった「史上最大の下克上」を成し遂げました。
里崎 あの年は1位のソフトバンクから3位のロッテまで、2.5ゲーム差しかついていなかったんですよ。だから江本さん、槙原さんがおっしゃるように、3位のチームが勝率5割以下だった場合や、一定のゲーム差以上開いた場合には、ファーストステージでも2位のチームに何らかのアドバンテージをつけていいと思います。あと、これは僕ら的な事情なんですけど、もしCSを止めて消化試合が長くなると、解説していても全然おもしろくないんですよ(笑)。
一同 爆笑。
江本 優勝が決まったら、その瞬間にリーグ戦を打ち切ってしまえばいいんだよ。MLBのようにね。そうしたら消化試合がなくなるし、個人の成績もそこまでになってしまうから、みんな必死になるでしょう。
槙原 レギュラーシーズンを1年間戦い抜いて優勝したのに、CSで敗れて涙を流す選手を見ていると、現行の制度への不条理さを感じます。だからこそ、上位チームにさらなるアドバンテージを設ける必要性を、僕は強く訴えたいですね。