連載:プロ野球ファンが考える「○○ファン」ってこんな人!

圧倒的だった阪神ファンのイメージは?  12球団ファンに聞くイメージ調査<阪神・広島・中日編>

カネシゲタカシ

個性的なファンが多いイメージの阪神。その一方で広島と中日は郷土愛が強いという意見が目立った 【カネシゲタカシ】

 スポーツナビでは2021年12月25日から2022年1月7日にかけて、プロ野球各球団ファンに対するイメージ調査を実施した。各球団ファンのイメージを全5回にわたって紹介し、第5回では「○○そうなファンNo.1」のアンケート結果を踏まえた総括を掲載する。今回はプロ野球ファンが考える「阪神・広島・中日ファン」のイメージをイラストとともに紹介していく。

阪神タイガース:熱狂熱狂また熱狂!良くも悪くもザ・関西人

伝統的に熱狂的なファンが多い阪神。関西人らしいノリの良さも特徴だ 【カネシゲタカシ】

「熱狂的」が約80%と他を圧倒したのが阪神だ。「ファン全員監督」、「相手本拠地までユニ着用で移動できるのは阪神ファンだけ」、「父の葬儀の曲は六甲おろしを使った」などなど熱狂度が伝わる。だが「気が短い」、「やんちゃ」が合わさると“良くも悪くも”となりがち。「やじやブーイングが多い」、「ひいきの引き倒し気味なところがある」、「唯我独尊」など独善的なイメージも挙げられた。

【スポーツナビ】

 だが「フレンドリーで優しい」、「進んでゴミ拾いをするなど感じのいい人が多い」、「けがや病気から復活した選手への拍手は、相手チームであっても大きく温かい」などの声も。悪目立ちする一部のせいで多数が迷惑している。「自分も阪神ファンですがマナーの悪い人が多いので改善したい」という声は切実だ。

 また「派手好き」、「せっかち」、「おもしろい」など世間の関西人像とぴったり重なるのも特徴だ。「刺しゅうとニッカポッカと虎刈りのイメージ」、「負けた日にファンやめると言って、朝起きたら阪神応援してる」、「楽しそうに愚痴を言っている」など、立飲みでクダを巻くおっちゃんが目に浮かぶ。「優勝できなくとも巨人に勝てば満足」などアンチ巨人っぷりを挙げる人も多かった。

 そして「○○そうなファンNo.1」ではオリックスを上回る“6冠”を達成した阪神。にぎやかすぎて文字数オーバー。来週公開予定の総括コラムで詳しく述べたい。

広島東洋カープ:選手は家族!ゆりかごから墓場までカープ

何といっても広島といえば“カープ女子”だが、ゆりかごに揺られている時から墓場までファンを貫くのも特徴の一つだ 【カネシゲタカシ】

 地方球団ほど「郷土愛が強い」は上位にくる。そこに「熱狂的」が加わり両者で突出するのが広島だ。「弱いときから皆で支えてきたから熱狂的。選手もファンも家族みたい」など距離の近さが市民球団らしい。「生まれた瞬間からどっぷり刷り込まれてる」、「小学校でカープの授業がある」、「友人が広島に葬式に行ったらみんなが卒塔婆を持ってカープ応援歌を合唱していた」など、まさにゆりかごから墓場までカープ状態。阪神との類似性を挙げる人もいた。

【スポーツナビ】

 そして「女性が多い」がトップ3に入った。「赤いユニのカープ女子は映える」、「とにかくカメラ持った女性が多い。おばちゃんも多い。おっさんは気が短い」など、近年のカープブームを支えた女子のイメージは健在だ。だが華やかさの裏で「あまり野球を知らないファンが増えた」など“新旧分離”を指摘する声も。また「ビジターの応援は迫力がある。ホームは熱さとは違う温かさを感じる」など“地域分離”ともいえる現象が。さらに「ホーム球場のビジター席にまでカープファンが来る」と人気のあまりマナー違反が発生したことへの苦言も。すべてはファン急増に端を発する現象でいろいろ興味深い。

 そして「○○そうなファンNo.1」では「女性ファンの居心地が良さそう」1位(27.83%)と、ここでもカープ女子がイメージをけん引。「女子人気の先駆けになったカープです」というコメントが力強い。

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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