花園で勝敗を分けるポイントに迫る 高校ラグビー準決勝解説&決勝展望
勝負のポイントになったライン際の攻防
東海大大阪仰星は東福岡に逆転勝ちで決勝進出を決めた 【写真は共同】
この試合で大きく差を分けたのは「風をどう使うか」という点だったと思います。
東福岡はアタックに自信を持っていて、キックオフから5分で2トライを奪う最高の立ち上がりだったので、風上の前半からキックで陣地を取るよりもパスとランで攻めるイケイケのプレーが増えました。
その結果、前半23分には自陣ゴール前からタッチを切らずに、オープンサイドにキックを蹴って逆襲されてトライを奪われました。このプレーのように前半からキックを使ってはいるのですが、ファーストオプションで蹴るのではなく、蹴らざるを得ない状況に陥ってから蹴る……というシーンが目につきました。
一方の東海大大阪仰星は風上の後半にキックをうまく使いました。SO吉本大悟選手が長い距離のキックを蹴り込んで東福岡を自陣に釘付けにし、ここぞという場面では新ルールの「50:22(自陣から蹴ったボールがバウンドして相手陣22メートル以内で出たらマイボールラインアウト)」も成功させました。吉本選手の落ち着きは高校生と思えないほどで、持ち味のキックスキルを生かして流れを引き寄せました。
――前半を終えて4点を追う展開だった東福岡にとっては、キックで自陣に戻されるのは厳しかったのですね。
東福岡のグラウンドを広く使う攻撃は大会ナンバーワンで、これまでの試合では風下でも、自陣からでも大きくゲインしていました。しかし、ディフェンスが充実している東海大大阪仰星相手には簡単に前に出られないので、徐々にプレッシャーを受けていったのだと思います。
――東海大大阪仰星はなぜ東福岡のワイドアタックを止められたのでしょうか?
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