花園で勝敗を分けるポイントに迫る 高校ラグビー準決勝解説&決勝展望

構成:スポーツナビ
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 全国高校ラグビー大会は5日、花園ラグビー場で準決勝が行われ、東海大大阪仰星と国学院栃木が決勝に駒を進めた。準決勝の勝敗を分けたポイント、8日に行われる決勝戦の見どころは? ラグビー日本代表として活躍した藤井淳氏(東芝)に話を聞いた。

勝負のポイントになったライン際の攻防

東海大大阪仰星は東福岡に逆転勝ちで決勝進出を決めた 【写真は共同】

――まずは準決勝を振り返っていただきたいと思います。東海大大阪仰星(大阪第2)は優勝候補筆頭だった東福岡(福岡)を42−22で破りました。

 この試合で大きく差を分けたのは「風をどう使うか」という点だったと思います。
 東福岡はアタックに自信を持っていて、キックオフから5分で2トライを奪う最高の立ち上がりだったので、風上の前半からキックで陣地を取るよりもパスとランで攻めるイケイケのプレーが増えました。

 その結果、前半23分には自陣ゴール前からタッチを切らずに、オープンサイドにキックを蹴って逆襲されてトライを奪われました。このプレーのように前半からキックを使ってはいるのですが、ファーストオプションで蹴るのではなく、蹴らざるを得ない状況に陥ってから蹴る……というシーンが目につきました。

 一方の東海大大阪仰星は風上の後半にキックをうまく使いました。SO吉本大悟選手が長い距離のキックを蹴り込んで東福岡を自陣に釘付けにし、ここぞという場面では新ルールの「50:22(自陣から蹴ったボールがバウンドして相手陣22メートル以内で出たらマイボールラインアウト)」も成功させました。吉本選手の落ち着きは高校生と思えないほどで、持ち味のキックスキルを生かして流れを引き寄せました。

――前半を終えて4点を追う展開だった東福岡にとっては、キックで自陣に戻されるのは厳しかったのですね。

 東福岡のグラウンドを広く使う攻撃は大会ナンバーワンで、これまでの試合では風下でも、自陣からでも大きくゲインしていました。しかし、ディフェンスが充実している東海大大阪仰星相手には簡単に前に出られないので、徐々にプレッシャーを受けていったのだと思います。

――東海大大阪仰星はなぜ東福岡のワイドアタックを止められたのでしょうか?
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