連載:〜ラグビーの魅力をより多くの人に〜

知念雄×なかやまきんに君 ラグビー&ボディビル、競技を超えたトレーニングのこだわり【異色対談・前編】 

星野有治

ラグビーのトッププレーヤーである知念(左)と、ストイックなトレーニーであるなかやまきんに君の対談が実現。二人そろって「パワー!」 【撮影・佐藤まりえ】

 23歳のときにラグビーに転向し、わずか2年で日本代表へと駆け上がった知念雄(東芝)と、お笑い界きっての肉体美を誇るなかやまきんに君。「花園」とは縁遠い高校生活を送っていた2人の共通項は、豊富な知識と経験に裏打ちされた「トレーニング」。ラグビーには不可欠なトレーニング(筋トレ)について、互いのこだわりを語ってもらった。(取材日/12月8日)

フリーウェイト派? マシン派?

――知念選手は高校・大学と陸上競技のハンマー投げをやっていて、そこからラグビーに転向していますが、それぞれの競技のトレーニングで感じている違いはありますか?

知念 まず、ハンマー投げは一投ごとに60秒の制限時間があり、投げ始めてから短時間でパフォーマンスが終わります。個人競技なので、相手のことを考えなくていいというのも大きな特徴です。ラグビーは1チーム15人で、相手のことも考えながらプレーしないといけません。また、1試合80分間の中で走りながら筋力を発揮するのは大きな違いだと思います。

 トレーニングでいえば、高校のときは「ビッグ3」(ベンチプレス、スクワット、デッドリフトの3種目)がメインで、あとはクリーンやスナッチで補う感じでした。マシンよりもフリーウェイト(ダンベルやバーベルを担いだり持ったりして行うもの)をやっていましたね。ラグビーでもベースは一緒です。ラグビーの動きにフォーカスした場合、マシンよりもフリーウェイトのほうが向いていると感じています。

きんに君 ラグビーのフリーウェイトではどんな種目が多いんですか?

知念 陸上(競技)と同じで「ビッグ3」と、あとはクリーンやジャンプ系の種目が多いです。僕はスクラムを一番前で組むプロップというポジションで、瞬発力も必要なので重りを担いでのジャンプ動作を取り入れています。

きんに君 ボディビルやボディメイクは自分との闘いというか、自分がOKだと思えば終わりにできるし、ゴールも人それぞれで違います。ラグビーだったら例えば優勝とかチームで目標を共有することが多いでしょうし、選手の年齢によって左右されることもあると思います。ボディメイクは自分がどういう体になりたいかがすごく大事だったりしますし、高齢でもやっている人がいます。そこはラグビーと大きな違いがありますね。

――ボディメイクやボディビルでの基本もビッグ3なんですか?

きんに君 それも人それぞれですね。ビッグ3が中心という人もいますし、マシンが中心という人もいます。一人ひとりで骨格が違いますし、どの部位を発達させたいかを突き詰めると、種目や方法もより細分化されます。できるだけ重い刺激を筋肉に与えて追い込むのがベースですが、実際の方法は人それぞれです。僕の場合は力が特に強いわけじゃないので、できる範囲の重さは持ちますけど、インターバルを短くしたり回数で追い込んだりとか、そういうところに気をつけています。

――知念選手は、普段のトレーニングでどんなことに気をつけていますか?

知念 第一はフォームですね。パフォーマンスを上げるための手段の一つとしての筋トレなので、まずはケガをしないためにもいいフォームでやることが一番大事かなと。高校生や大学生が高重量にとらわれて、めちゃくちゃなフォームでやっているのを見たことがありますが、それだとケガするリスクしかないです。軽い重量でもいいから正しいフォームで地道にやっていくほうが、効果があると思っています。

ハンマー投げチャンピオンという異色の経歴を持つ知念。そのトレーニングへのこだわりは名門・東芝でも一目を置かれるほど 【撮影・佐藤まりえ】

きんに君 ラグビーの練習とウェイトの練習は、割合でいったらだいたい何対何くらいなんですか?

知念 シーズンの時期によって変わります。来月(1月)リーグが開幕しますが、今の時期はラグビー練習のが比重が大きくなって、7:3から6:4くらいでラグビーが多いくらいです。でも、それこそ11月までだったら5:5、さらにその前の時期であれば6:4で走ったり筋トレしたりするほうが多いです。

きんに君 そうなんですね。

知念 80分間走りながら力を発揮するのはきついので、ベースとなる体力をつけないとやっていけないですね。しかも、ラグビーはボディーコンタクトがあって、コンタクトで負けると自分が持っているスキルが出せません。筋トレは年間通してやりますし、今だったら週3回、毎回1時間から1時間半くらい確実にやっています。

きんに君 部位は分けてやるんですか?

知念 毎回分けずに全身をやっています。ベンチプレスやって、昨日だったらオーバーヘッドプレスして、なおかつデッドリフトもあってという感じです。

きんに君 僕の場合は週5〜6回やっていて、今日は胸の日、背中の日というように分割してやっています。上腕二頭筋をやった次の日に背中をやると、疲れていたらマシンでの引く動作がうまくできないので間隔を空けることもあります。全身を鍛えていって効率よく回復させながら、トレーニングを回すことを意識しています。

――その中で重点を置いている部位はありますか?

きんに君 もちろん、弱い部分はより強くしたいですが、そこだけやるのではなく、全身をやる中でどうすればより効果が出るのかを考えるスタンスです。一つの部位というよりは全身をバランスよく、という感じですね。

知念 ラグビーではポジションによって重視する部位は変わります。僕らプロップはスクラムやモールに加わるのですが、背中と脚の筋力が特に必要なので年間を通して重点的にやっています。足の速さが求められるウイングであればランニング中の肉離れが一番怖いので、ハムストリングやお尻を重点的にやっています。5〜6年前まであれば全員が同じプログラムをやっていましたが、最近はポジションによってプログラムが細分化されているのがトレンドですね。

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