女王・桜花学園の強さの秘密を教えます 高田真希×三好南穂×馬瓜ステファニーによるOGクロストーク(後編)

桜花で習得したことが今でも自身を支えている

高田(中央左)や渡嘉敷(中央右)など日本代表を多く輩出。桜花での練習がいまの土台となっている 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

――さて、改めて聞きますが、井上コーチはどんな人、どんな指導者ですか?

高田 間違いなく今の自分の基礎というか、ベースになってるのは井上先生のバスケットボールです。高校生のうちにたくさん教えてもらって良かったなと思います。本当に、ファンダメンタルの部分など繰り返し教えてもらったことがつながっています。

三好 私は中学までセンターだったのを、高校からはガードとして育ててもらって。高校が選手としての転機でした。それと、『どんな人?』と聞かれたら、私は教え子をすごく愛してると感じます。以前、卒業生の名簿を見て、私が知らない方について『どんな人だったんですか?』と聞いたら、結構細かく、些細(ささい)なことまで覚えていて教えてくれました。一人ひとりをすごく見てくれて、好きでいてくれる。だからこそ、引退しても多くのOGが先生に会いに行くんだろうなと思います。

馬瓜 2人が言ったように、基礎の部分。センターとしての基礎もそうですし、私の良いところも伸ばしながら選手個々に合う育て方をしてくれる。ちゃんと見てくれているし、先生が見てるからこそこっちも頑張ろうと思えた。それに先生が言ってることは図星なので、やらなきゃいけないという気持ちにさせられましたね。でも、練習が終われば寮ではフランクに話ができる。こんなコーチはなかなかいないと思います。普通に話をしてくれて、ご飯にも連れてってくれる。家族として一緒にいられたと思うので、今も家に帰る感覚で桜花に行くことができます。

――桜花学園の練習は特別なことをするわけでもなく、基本を繰り返しますよね。

高田 本当に何回も何回も繰り返しやりますね。1年生の時はいろいろと覚えなきゃいけないし、先輩たちも一緒の練習で、私ができてなくて練習を止めるわけにいかないと思っていました。桜花では一つのメニューに対してできてない人がいると分解練習などをしたり、一からやり直したりすることもあったので、1年生の時はプレッシャーを感じながらやっていました。今思えば、早く覚えないと、早く身につけないとと感じる環境も良かったのかなと思います。当時は大変でしたけれど。

三好 緊張感はすごいですよね。自分のせいで走るメニューが増えた時などは、本当に申し訳ないと思いますよね。

馬瓜 分解練習など、先生は根気よく教えますよね。

――さて、話はつきないのですが、最後にウインターカップに出場している選手たち、またウインターカップに出場はしなくてもバスケを頑張っている高校生たちにメッセージをお願いします。

馬瓜 ウインターカップは、3年生にとっては最後の舞台になりますし、もしかしたら誰かにとっては初めての舞台かもしれない。観客の前で試合ができるすごく貴重な機会だと思うので、楽しんでプレーしてほしいです。後悔のないように、最後までやり切ってほしいです。

 また、高校生たちには、自分の未来のために今、頑張るべきだとも思うので、日々の練習に自信を持って取り組んでほしいと思います。

三好 3年生にとっては集大成となる大会だし、一年を通しても集大成となるのがウインターカップ。後悔ないように全部を出し切ってほしいです。ウインターカップに出たくても出られない選手たちもたくさんいる中で出られるチャンスを得たと思うので、プレッシャーはあるとは思うけれど、その舞台を楽しんでほしいです。

 バスケを頑張っている高校生たちには、指導者の方たちの話を聞き、吸収して、仲間との絆を大切にしながら取り組んでいってほしいなと思います。オリンピックもあり、バスケが盛り上がっていますが、何年後かには、今の高校生たちが日本を引っ張っていく番なので、自分たちが引っ張るという気持ちを持って頑張ってほしいですね。

高田 ウインターカップに出場する選手は、いろいろなプレッシャーや緊張をしっかり背負いながら楽しんでほしいです。結果はどうあれ、楽しむことによって良い思い出となると思います。

 高校生という世代は、今取り組んでいることがこれからの人生のベースになると思います。バスケでも、それ以外でも、コツコツ毎日積み重ねていきながら、興味を持ったことなどいろいろなことに挑戦してほしいですね。それが将来やっておいて良かったなと思えることになるし、何かにつながると思います。

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