12月23日に開幕したウインターカップ2021。高校生プレーヤーの憧れの的であり、その年の最後に行われる集大成の大会だ。今回、高校女子バスケ界の女王として君臨する桜花学園の卒業生にウインターカップについて、高校時代の思い出を語ってもらった。登場するのは今夏、東京オリンピックに日本代表として出場した高田真希（デンソーアイリス、2008年卒）、三好南穂（トヨタ自動車アンテロープス、12年卒）、馬瓜ステファニー（トヨタ自動車、17年卒）の3選手。3人のやりとりから桜花学園の強さの秘密が見えてくる。

――改めて、それぞれ桜花学園入学のキッカケを教えて下さい。

高田　私は知り合いの先生が井上（眞一）先生と一緒にバスケットをされていた方で、その先生が「身長の大きい子がいるよ」と伝え、井上先生が練習を見に来て声をかけてくれました。通用するのかなと思い、迷いましたが、どうせやるなら一番強いところでやりたいと思って進学を決めました。

三好　私も、中学時代によく練習試合をしていた相手の学校の先生が井上先生に紹介してくれて。私は進学校への受験を考えていたので、勉強で高校を決めるか、桜花に行くかの選択でした。

馬瓜　私は姉のエブリン（トヨタ自動車）が小学生の時に井上先生と知り合い、桜花の練習に行ったことがありました。その後、姉は桜花へ入学するのですが、私も中学生の時には行きたいと思っていました。

――三好選手と馬瓜選手は、高田選手の高校時代の記憶はありますか？

三好　いや、記憶というか……。私たちはトップで活躍しているリツさん（高田）しか知らないですが、高校の時はよく井上先生が「高田はへただった」みたいなことを言っていました。あと、「人が注意されたことを盗むのがうまい」とも言っていました。チームメートが怒られたことをしっかり自分のものに取り入れていたと。

　あとは……。ちょうどリツさんが3年生の時の1年生が、私が1年の時の3年生にあたるんですね。その先輩たちからは『裏ボス』と聞きました（笑）。裏で人を操るのがうまいと。学校でも、リツさんは怒られなくて、一緒にいた他の人が先生に怒られているみたいな（笑）。

高田　そんなつもりはないんです。なぜかは分からないのですが、一緒に楽しく遊んでいたら私ではなくて相手だけが怒られているというのが多かったです（笑）。

三好　それを聞いて、プレーのイメージとは全然違う人なんだなと思いました。

馬瓜　私の場合は、桜花に入った頃にはすでにWリーグのスターだったので、逆に「高田ならこんなことしないぞ」と先生にも比べられることもあって。当時は比べられても……と思っていました。伝説の人みたいな感じでした。

三好　ほんとそうだよね、伝説の人だよね。

――高田選手は卒業後も後輩たちの活躍は気になっていた？

高田　全国大会決勝の常連なので、接する機会はなかったとしても、結果や映像を見てはいました。あとは毎年、桜花にあいさつに行くので、その時に体育館に顔は出してはいますね。

――桜花学園はOGがよく学校にあいさつに行きますが、高校生の時はトップ選手が来ることをどのように思っていたのですか？

三好　最初は、びびるよね。

馬瓜　そうですね。

三好　「テレビで見る人だ」って。キャーキャーもやり過ぎかなと思うので、気持ち心の中でキャーキャーしてました。

馬瓜　「こんにちはー」って冷静ぶってあいさつしますよね。

高田　私はシンさん（大神雄子、元日本代表）がよく来ていたし、中学3年生で井上先生から声をかけてもらった時に内海亮子さん（元日本代表）や諏訪裕美さん（元日本代表）が先生と一緒に来てくださって。それはうれしかったですね。あと、OGの方が来ると先生の機嫌がよくなるんだよね？

馬瓜　そうですよね！

高田　早めに練習も終わるし。

馬瓜　OGの方とご飯に行きますから。それと、普段は甘いものを規制されているけれど、OGの方の差し入れは食べていいので、それもうれしかったです。

――高田選手の時代から馬瓜選手の頃まで変わらない練習などはありますか？

馬瓜　ファンダメンタルの練習ですかね。センターが中心の。リツさんの時もありました？

高田　ポストでいろいろな種類の動きをやるやつだよね。

馬瓜　そうです。

三好　センターがポストを取る練習だよね。

高田　ポストに関してはそのオフェンス練習と、あとディフェンスもあるけれど、それは今もやっているかな。練習に顔を出したときにやっているのを見たので。でも、私はあの練習をやっておいて良かったなと感じるし、それが私のベースになっています。

馬瓜　確かに、あの時に基礎を教えてもらったからこそWリーグに入ってからその基礎をもとに発展できているなとは思います。当時、体に染みつくまでやったので。