創価大・榎木監督が語る留学生スカウト法 箱根駅伝で活躍する選手の見極め方とは?

酒井政人
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留学生選手のスカウト方法や日本で成長する選手の見極め方などを語った創価大の榎木和貴監督(左から2人目) 【写真は共同】

 箱根駅伝で2区を中心とした往路で存在感を示し、数々の名勝負を繰り広げてきた留学生選手たち。ファンにはなじみのある光景だが、そのスカウト方法やチームのサポート体制まで知っているという人は意外と少ないのではないだろうか。中央大の主力選手として4年連続で区間賞を獲得し、トヨタ紡織の監督時代にケニア人選手のスカウトにも携わった創価大の榎木和貴監督が、留学生選手のスカウト方法と日本で成長する留学生選手の見極め方を語った。

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「初仕事はケニアでのスカウト」

東京国際大のヴィンセント(左)は第98回(22年)大会でも出走を予定している。 【写真は共同】

 箱根駅伝ですっかりおなじみとなった留学生ランナー。第65回(1989年)、花の2区で7人を抜いてトップを奪った山梨学院大のジョセフ・オツオリに始まり、第85回(2009年)に前人未到の20人抜きを達成した日本大のギタウ・ダニエル、20年に東洋大の相澤晃(現・旭化成)に抜かれるまで11年もの間2区の区間記録を保持していた、山梨学院大のメクボ・ジョブ・モグスらが、圧巻の走りを見せつけてきた。今年10月の予選会では過去最多となる12人の外国人ランナーが出走。そのすべてがケニアからの留学生だ。

 第98回(22年)大会では、東京国際大のイェゴン・ヴィンセント・キベット(3年)を筆頭に、6人のケニア人留学生が出走を予定している。そのひとりが創価大のフィリップ・ムルワ(3年)だ。前回は2区を走り、区間6位。今季は出雲駅伝3区で区間賞を獲得すると、10000メートルでは27分35秒29の自己新をマークしている。

 中央大在学時、4年連続で区間賞を獲得する快挙を成し遂げた榎木和貴氏が、創価大の監督に就任したのが19年2月。榎木監督の最初の“ミッション”となったのが、留学生のスカウトだった。当時、創価大には3年生のムソニ・ムイル(現・JR東日本)が在籍していた。ケニア出身のムイル在学中に新たな留学生をケニアからスカウトして、日本の生活に慣れてもらうという狙いがあった。
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著者プロフィール

1977年愛知県生まれ。東農大1年時に箱根駅伝10区に出場。陸上競技・ランニングを中心に取材。現在は、『月刊陸上競技』やビジネス媒体など様々なメディアで執筆中。『箱根駅伝ノート』(ベストセラーズ)など著書多数。

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