箱根駅伝・今季注目のルーキー10選 パリ五輪を目指す逸材、箱根路に挑む

酒井政人
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 10月に開幕した今季の大学3大駅伝。石田洸介(東洋大)、伊藤大志(早稲田大)、平林清澄(國學院大)など、多くの1年生が出雲駅伝、全日本大学駅伝でデビューを飾った。第98回(2022年)箱根駅伝まで残り2週間を切ったなか、スポーツライターの酒井政人氏が注目のルーキーを厳選して紹介する。

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石田洸介「個人3冠」達成なるか

出雲、全日本で区間賞を獲得した石田洸介(東洋大)。世代ナンバー1の大物ルーキーが、いよいよ箱根デビューする 【写真:月刊陸上競技】

 次の箱根で“スーパールーキー”の称号に最も相応しいのは、石田洸介(東洋大)だろう。福岡・浅川中時代に1500メートル3分49秒72、3000メートル8分17秒84の中学記録を樹立(1500メートルは当時)。群馬・東農大二高では5000メートルで13分34秒74の高校記録(当時)を打ち立て、10000メートルでも28分37秒50(当時・高校歴代7位)をマークしている。左右の接地バランスを崩したこともあり、12月の全国高校駅伝は1区で区間14位。その後、左足底付近を痛めてしまい、東洋大入学後は出遅れた。大学デビュー戦となった6月の日本選手権5000メートルは途中棄権。夏合宿も前半はあまり良くなかったが、9月に入ると徐々に調子を上げていく。

 浮上のきっかけとなったのが、9月末に行われた早稲田大学競技会5000メートルだった。「13分台」を狙っていた石田は2組を13分59秒99(3着)で走破。高校時代の実績を考えると物足りないタイムだが、これを機に覚醒。10月の出雲では5区を担い、4人抜きの快走で区間賞を獲得。区間2位以下を20秒以上引き離す、圧倒的なレースだった。さらに11月の全日本では4区で青山学院大の高橋勇輝(4年)と同タイムで、出雲に続いて区間賞を獲得した。

 箱根では日本人選手唯一の「個人3冠」に期待がかかる石田は、3区もしくは4区での出場が有力。20キロ以上の距離への不安はあるが、トラック種目でパリ五輪を本気で目指している逸材は、どのような“箱根デビュー”を飾るのか。
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著者プロフィール

1977年愛知県生まれ。東農大1年時に箱根駅伝10区に出場。陸上競技・ランニングを中心に取材。現在は、『月刊陸上競技』やビジネス媒体など様々なメディアで執筆中。『箱根駅伝ノート』(ベストセラーズ)など著書多数。

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