連載:プロ野球みんなの意見

一体どうなる「セ・リーグDH制」論争 スポナビユーザーは賛成派?反対派?

前田恵
 スポーツナビでは2021年12月7日から12日にかけて、プロ野球ファンの間でも賛否が分かれる4つのテーマ「クライマックスシリーズ不要論」「セ・リーグDH制」「16球団構想」「ワンポイントリリーフ禁止」について、ユーザーアンケートを実施した(投票数約17,000)。今回は「セ・リーグDH制」導入の是非を問う調査結果を、ユーザーの声とともに紹介していこう。皆さんは、セ・リーグがDH制を導入することに賛成ですか? それとも反対ですか?

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そもそもなぜセ・パで試合方式に違いが生まれたのか

「セ・リーグDH制について」全体の調査結果 【スリーライト】

 時は昭和、1975年に遡(さかのぼ)る。まさに「人気のセ、実力のパ」と言われた時代真っ盛り。テレビ中継は巨人戦中心で、パ・リーグは下降線をたどりつつある人気をなんとか維持・向上させようと、策を練った。そのひとつが、メジャーリーグでアメリカン・リーグが不人気解消のため採用した「DH(Designated Hitter:指名打者)制」だった。

 ア・リーグはDH制採用でナショナル・リーグとの差別化を図り、成果を得た。パ・リーグはこれに倣った格好だ。DH制では投手が打席に立たず、代わりに指名打者が打席に立つ。指名打者は打撃専門の選手なので、守備につく必要がない。そのため、守備は苦手だが打力のある選手の仕事場として、門田博光、デストラーデ、カブレラ、松中信彦といった多くのスター選手を生んだ。その後、セ・パの人気が拮抗(きっこう)する昨今に至るまで、DH制はパ・リーグの見どころとして残されてきた。

 セ・リーグDH制導入の話題が大きく取り上げられたのは、2019年。原辰徳監督率いる巨人が日本シリーズに進出しながら、パ・リーグ代表の福岡ソフトバンクに1勝もできず、4連敗を喫した。そこで、レギュラーシーズンでDH制を採用しているパとの実力の差を痛感した原監督が、「セのレベルアップを図るためにも、DH制を導入すべき」と発言したことから、論争が始まった。

 スポーツナビは21年12月7日から12日にかけて、ユーザーに「セ・リーグDH制」についてのアンケートを行った(投票数約17,000)。その結果、セのDH制導入に「賛成」と答えたのが38.2%、「反対」と答えたのが25.0%と、賛成派が上回った。ちなみに、「賛成」「どちらかといえば賛成」を合わせると51.0%、「反対」「どちらかといえば反対」を合わせると40.4%となり、約半数のユーザーはセのDH制導入を支持していることがわかった。

10代〜30代の調査結果 【スリーライト】

 続いて、年代別の調査結果を見ていこう。10代〜20代は「賛成」が「反対」を10%前後上回った。30代も同様に「賛成」が「反対」を上回っているのだが、その差は全年代で最も小さい6.8%だった。

40代以上の調査結果 【スリーライト】

 興味深いのは60代以上の調査結果だ。60代以上は「賛成」が50.1%、「反対」が19.9%と、極端な結果となった。「賛成」が単独で過半数を超えたのは、60代以上だけだ。これに「どちらかといえば」の回答を含めても、賛成派は62.2%、反対派は32.2%と、やはり賛成派が大きく上回る。これはセ・リーグファン、なかでも巨人ファンが多い世代ゆえと推察されるが、いかがだろうか。

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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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