都市対抗に出場するドラフト勢・投手編 巨人ドラ2山田らの特徴&注目ポイントは? 西尾典文 2021年11月25日 11:00 11月28日に開幕する第92回都市対抗野球。今年は昨年に続いて東京五輪・パラリンピックの影響で開催がこの時期になったことにより、10月のドラフト会議で指名された来年のルーキーのプレーをいち早く見られる機会ともなっている。そこで今大会に出場予定の14人のドラフト指名選手について、特徴と注目ポイントを紹介したいと思う。今回は8人の投手を取り上げる。 都市対抗野球を野球速報アプリで速報! DLはこちら ※リンク先は外部サイトの場合があります 山田龍聖(巨人2位):JR東日本(東京都) 巨人ドラ2の山田龍聖。本拠地となる東京ドームでの好投に期待 【写真は共同】 今年急成長を遂げた高卒3年目の本格派サウスポー。高岡商では3年夏に出場した甲子園で春夏連覇を達成した大阪桐蔭に敗れたものの11奪三振、3失点と好投を見せて一躍注目を集めた。JR東日本では同期入社の伊藤将司(阪神)の存在もあって登板機会は少なかったが、伊藤の抜けた今年は春先から公式戦で好投。都市対抗予選ではエース格として5試合に登板するフル回転の活躍で、チームを本大会出場に導いた。テイクバックが小さく、ボールの出どころが見づらいフォームから投げ込む140キロ台後半のストレートは勢い十分。スライダーには課題が残るものの、チェンジアップのブレーキも鋭い。都市対抗予選後は疲れもあってかオープン戦での登板機会も少ないが、本大会では調子を上げて来季から本拠地となる東京ドームでの好投に期待したい。 森翔平(広島2位):三菱重工West(神戸市・高砂市) サウスポーとしてはナンバーワンと言える存在。関西大4年時にはチームを明治神宮大会出場に導き、昨年はルーキーながらNTT西日本の補強選手として都市対抗の先発マウンドも経験している。スピードはありながらも抑えきれないというケースが多かったが、今年は夏場以降に急激に安定感を増し、都市対抗予選でも4試合に登板して2完封、自責点0と圧巻の投球を見せた。フォームに目立った欠点がなく、145キロを超えるストレートをコーナーに投げ分ける制球力を備える。スライダー、カットボール、チェンジアップなどの変化球も高レベルだ。昨年は試合早々に降板となっているだけに、今年はこの1年での成長ぶりを示すピッチングを見せてくれることを期待したい。 柴田大地(ヤクルト3位):日本通運(さいたま市) 今年指名された社会人投手の中で最もベールに包まれている存在と言えるのがこの柴田だ。日本体育大時代はトミー・ジョン手術もあって4年間で対外試合の登板はオープン戦2試合のみ。社会人でも1年目はリハビリに費やし、今年の都市対抗予選でも1イニングのみの登板に終わったが、それでもドラフト3位という高い順位で指名されているところに素材の良さが表れている。たくましい体格から投げ込むストレートはコンスタントに150キロを超え、高めでも低めでもバットを押し込める威力を感じる。コントロールは少し不安定だが、フォークのブレーキも魅力だ。登板があるとすれば終盤でのリリーフが予想されるが、今大会がアマチュアとして最後の大舞台となるだけに、高い評価が正しかったことを証明するような投球を見せてもらいたい。 廣畑敦也(ロッテ3位):三菱自動車倉敷オーシャンズ(倉敷市) 社会人ナンバーワンの実力を誇る本格派右腕。昨年の都市対抗では初戦で前年優勝のJFE東日本を相手に1失点完投勝利をマークすると、続くセガサミーとの試合でもリリーフで3回1/3をノーヒットに抑え込んで一気に評価を上げた。最速154キロのストレートをコーナーいっぱいに投げ込み、緩急をつけるカーブ、140キロ台のカットボール、130キロ台のフォークなど全ての変化球のレベルが高い。都市対抗予選の初戦では珍しく打ち込まれたものの、代表決定戦では調子を上げて2失点完投と見事なピッチングを見せている。今年指名された全投手の中でも完成度は頭一つ抜けており、高いレベルで即戦力として期待できる存在と言えるだろう。 前へ 1 2 次へ 1/2ページ