高校野球・秋季大会2021「実力校ランキング」

「秋の実力校ランキング」東海大会編 享栄など県優勝4チームがトップ集団

尾関雄一朗
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本命は地力のある享栄だが、三重も投手力は全国級

ランキング1位は愛知県大会を制した享栄。大事な場面で三振が奪える2年生左腕の藤本(写真)を擁し、2000年春以来の甲子園出場を狙う 【尾関雄一朗】

 来年のセンバツ出場枠「2」を懸けて、秋季・東海大会が10月30日から愛知県で開催される。東海地区のアマチュア野球に精通するライターの尾関雄一朗氏が本命に推すのは、今夏の甲子園出場を惜しくも逃した享栄。ただ、実力ランキングの上位に愛知、三重、岐阜、静岡の各県大会優勝校を挙げる一方で、2位、3位校による“下剋上”もあり得ると展望してくれた。
 ランキングの4位までを、各県大会の優勝校が占める結果となった。いずれも計算できるエース投手を擁し、打線全体で得点を重ねるスタイルは似通っている。この4校は2回戦からの登場となり、日程面でも優位に立つ。勝てばセンバツ甲子園出場が当確となる準決勝でぶつかりそうだ。

 1位には享栄(愛知1位)を選んだ。今年の夏は愛知大会決勝で愛工大名電に敗れ、甲子園にあと一歩届かなった。この秋の新チームは顔ぶれが一新されたが、投打の地力は依然として高い。2000年春以来となる甲子園出場が再び射程に入っている。

 投手ではエース左腕・藤本逸希(2年)が信頼できる。バランスの良い投球フォームから最速139キロのストレートと変化球を両サイドに投げ込み、大事な場面になればなるほど、内角へのストレートやキレのあるスライダーで三振を奪える点が心強い。秋の県大会では2回戦からの5試合を一人で投げ抜き、39イニングスを4失点と好投した。

 打線は4番の吉田遥哉(2年)ら上位陣を中心に、力強くシュアに球をとらえる。前チームに比べて派手さこそないが、走者を塁上に置いたときのチーム打撃などで確実に得点を重ねていける強みがある。

 享栄は18年秋から、現在の大藤敏行監督が指揮を執っている。09年夏に中京大中京を率いて全国制覇を果たした名将だ。この秋の陣容について指揮官は、「真面目な選手が多く、よく練習する。時間をかけるほどいいチームになってくるはず」と、県大会の序盤に話していたが、その言葉通り、試合を重ねるごとに強くなった。県大会準決勝(対中部大春日丘)、決勝(対至学館)はいずれもコールド勝ち。確かな手ごたえを得て、東海大会に臨む。
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著者プロフィール

1984年生まれ、岐阜県出身。名古屋大を卒業後、新聞社記者を経て現在は東海地区の高校、大学、社会人野球をくまなく取材するスポーツライター。年間170試合ほどを球場で観戦・取材し、各種アマチュア野球雑誌や中日新聞ウェブサイトなどで記事を発表している。「隠し玉」的存在のドラフト候補の発掘も得意で、プロ球団スカウトとも交流が深い。

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