最後まで風は葛西紀明の味方にならず 北京絶望も50代での五輪出場に意欲
札幌で行われたスキー・ジャンプ全日本選手権。49歳のレジェンドは22位に終わった 【写真は共同】
公式練習では大ジャンプも……
2本目のジャンプを終え、厳しい結果となった葛西は開口一番こう口にした。
「もしかしたら」と見ている者に思わせるシーンもいくつかあった。22日に行われたノーマルヒルの試技では96メートル、23日に行われたラージヒルの公式練習1本目では135メートルと、ファン、関係者から思わず「おおっ」と声が上がる大ジャンプを見せていた。
本人もその手応えを感じていたようで、23日には自己採点は80点とした上で「久しぶりに芯食ったなという感じはありました。『俺はこのでかい(ジャンプ)台が好きなんだな』って気づきました。140(メートル)台を狙って飛びたいなと思います」と笑顔で語っていた。
だが、本番では練習で見せていたような会心の飛距離が出ない。
「(上位メンバーと)ジャンプの技術がそんなに離れているとは(思わない)。陵侑以外はね(笑)。陵侑は別格に強いなって思っていますけど、それ以外はちょっと自分が調子よくなればいけるな」と分析をしたが、勝敗を大きく分けたのは風だった。
後半に向かうにつれて吹き始めた向かい風
葛西も「強い選手には最後に(向かい)風が“バッ”とくる。そういうシステムは昔からわかっている。こんな(スタート順)で飛んでいちゃダメだな」と厳しい条件下であったことを明かした。