高校野球・秋季大会2021「実力校ランキング」

「秋の実力校ランキング」東北大会編 3連覇を狙う本命・仙台育英に続くのは…

高橋昌江
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10年連続で秋の宮城大会を制した仙台育英。センバツ経験者の遠藤(写真)が4番に座る打線は強力で、お家芸である積極的な走塁も健在だ 【写真は共同】

 東北6県の各県大会を勝ち抜いた上位3校ずつ、計18校が出場する秋季東北大会が10月20日から始まる。当初は青森県で実施される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で開催地を宮城県(石巻市民球場、仙台市民球場)に移して競われることになった。仙台育英の3連覇か、それともその牙城を崩すチームが現れるか。ライターの高橋昌江氏に実力上位の5校を選んでもらった。

仙台育英はタイプの違う複数の左腕を擁する

 秋季東北大会を2連覇中の仙台育英(宮城1位)を1位とした。秋の宮城県大会を10年連続で制し、東北大会出場も10年連続だ。世代が代わる秋の地区大会を過去9年で5度の制覇と安定した強さを誇る。

 東北勢初の日本一に燃えていた今夏は宮城大会4回戦で敗退。そこからスタートしたチームが県中部地区予選、県大会の計6試合で失ったのはわずか1点。お家芸の走塁は健在で、オフェンス力の高さが一番のストロングポイントだ。

 県大会で登板した5投手はいずれも左投げ。県大会決勝で永遠のライバル・東北を2安打完封した斎藤蓉(2年)はコンスタントに140キロほどのストレートを投げ込み、スライダーやチェンジアップを交えて試合を作れるのが長所だ。奪三振率も高い。県大会でエースナンバーをつけた小林寛大(2年)は打たせて取る投球を得意とする。同じ左腕でもタイプが異なる投手がそろい、まだ実戦経験が少ない相手打線にとっては脅威だ。

 攻撃で先の塁を狙う意識の高さは須江航監督の野球の胆。県大会では決勝の東北戦で3度、盗塁を刺されたものの、初戦(2回戦)から準決勝までの3試合で25盗塁を決めている。大学生のような体格で技量が優れる岡田大成(2年)、センバツ大会を経験した遠藤太胡(2年)ら個々の打力も高い。なかでも須江監督がキーマンと考えていた秋元響(2年)が高打率を残すなど期待に応えたことも、攻撃の歯車が噛み合った要因となった。

 ともに勝ち進めば準々決勝で対戦することになる花巻東の強力打線を抑えることが、3連覇へのポイントとなりそうだ。
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著者プロフィール

1987年、宮城県若柳町(現栗原市)生まれ。中学から大学までソフトボール部に所属。東北地方のアマチュア野球を中心に取材し、ベースボール・マガジン社発刊誌や『野球太郎』、『ホームラン』などに寄稿している。

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