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今季注目、B3の長崎ヴェルカに熱視線
本場仕込みのバスケ文化を長崎に構築
今シーズンのB3を盛り上げる長崎ヴェルカ
今シーズンのB3を盛り上げる長崎ヴェルカ【(c)n_velca】

 B1、B2以上に、今季はB3が面白い。まったく『0』からのクラブを立ち上げながら、日本代表経験者や長年Bリーグで活躍する外国籍選手を獲得して、B3をしのぎそうなクラブが登場したのだ。今回、その中の1つ、長崎ヴェルカに注目。キーパーソンの伊藤拓摩ゼネラルマネジャー兼ヘッドコーチに話をうかがった。

Bのクラブがなかった長崎に理想のクラブを作る

 今季絶対に見逃してはならないクラブがB3に誕生した。通販事業最大手企業の傘下で設立された長崎ヴェルカは、昨季B1でプレーした選手を7人迎えるなどB3リーグ史上類を見ない重厚な戦力を整え、初めてのシーズンに意気揚々と臨む。


 昨年9月のクラブ設立と同時に加入が発表された伊藤拓摩ゼネラルマネジャー(GM)兼ヘッドコーチ(HC)は、10代で渡米して本場のバスケットに触れ、その後はBリーグ初年度までアルバルク東京を率いた人物。再び渡米してコーチ業に励んでいた伊藤氏は、今回なぜ長崎の地に降り立ったのか、長崎で何を成し遂げようとしているのか。本人の言葉から、長崎ヴェルカが目指すクラブの理想像を探る。

伊藤拓摩GM兼HCがクラブ設立、選手強化、文化作成に携わっている
伊藤拓摩GM兼HCがクラブ設立、選手強化、文化作成に携わっている【(c)n_velca】

 伊藤GM兼HCがクラブ側と最初に接点を持ったのは昨年5月のこと。といっても、実はこの時点ではクラブ設立が決定していたわけではなく、むしろ伊藤GM兼HCのジョインがゴーサインとなったようだ。


「最初の話し合いの時は、クラブを作ろうかどうかとまだ悩んでいる段階だったんです。3回目の話し合いの時に僕が関わることが決まって、クラブを作ることも正式に決まったという流れです」


 組織に加わった理由は長崎市中心部にサッカースタジアムとアリーナを新たに建設する「長崎スタジアムシティプロジェクト」も含まれるが、もちろんそれだけではない。クラブをゼロから作り上げるという点も大きな魅力だった。


「カテゴリーに関係なく、クラブとしてどういうビジョンがあるのか、やりがいがあるのか、成し遂げようとしていることの大きさが大事です。むしろゼロから作る楽しみのほうが大きいですね。スタッフもまず社長はいますが、強化に関しては、最初は僕1人で、そこから強化や事業に携わる仲間が増えていくという流れで、そこはプロセスを楽しめるところかなと思います」


 伊藤GM兼HCは、小学生の時にJリーグの華々しいスタートを目のあたりにしている。子どもたちは休み時間にサッカーに興じるようになり、家に帰ればゴールデンタイムにサッカー中継が放送された。ただし、Bリーグがスタートを切ったとき、確かに日本バスケット界の歴史も大きく動いたのだが、当時アルバルク東京のHCとしてBリーグの幕開けに立ち会った伊藤GM兼HCにとっては満足できるものではなかった。長崎の一員となったのは、自身の理想とするバスケット界の姿を実現しうる道をそこに見いだしたのだ。


「BリーグにはJリーグと同じイメージを抱いていましたが、実際には全然違いました。その頃から『バスケットの価値』というものを考えるようになったんです。またアメリカに研修に行って、バスケットやNBAがないと困る人たちがいるという『バスケットの価値』や社会貢献といった部分も考えさせられました。バスケットに携わる者として、まずは日本におけるバスケットの価値を上げたいと感じたんです。日本に戻るとすれば、例えば『地域にどれだけ根づくか』といったバスケットのチーム以上の価値があるクラブ。長崎はそれに当てはまりました」


 事実、伊藤GM兼HCは強化以外の部分にも積極的に意見を上げ、クラブ全体の価値向上に意欲的に取り組んでいる。初期のファンクラブ会員向けに配信した動画「ヴェルつく」には毎回のように出演。チームグッズのアイデアを視聴者から募ったり、チアリーダーのディレクターと意見交換したりといった姿勢は、実に前のめりだった。


「わかりやすい評価や批判はどうしても強化のほうに向くと思うんですが、やはり強化と事業は両立しないといけない。お互いが何をしているかがわからないと、強いクラブにはなれないと思うんです。1つのチームとして、そこは僕もいろんなことに興味を持ってやっていければと思いますし、選手に事業のミーティングに入ってもらったりもしています」

吉川哲彦(構成:バスケットボールキング編集部)

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