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Bリーグ連覇を狙う富樫勇樹が語る
「昨年と同じようなプレーではダメ」
今夏は自身初となるオリンピックを出場を果たしたが、プレシーズンゲームでも富樫勇樹はキレキレのプレーを見せる
今夏は自身初となるオリンピックを出場を果たしたが、プレシーズンゲームでも富樫勇樹はキレキレのプレーを見せる【(c)CHIBAJETS FUNABASHI】

 まさに3度目の正直と言えるだろう。千葉ジェッツは3回目のB.LEAGUE FINALSで宇都宮ブレックスを破り、初めてリーグの頂点を極めた。新型コロナウイルスの影響でハードなスケジュールを余儀なくされたが、ポジティブ思考の富樫にとってはそれを苦に感じることはなかったという。連覇を迎えるシーズンの開幕を前に、初優勝のシーズンを振り返ってもらうとともに、東京オリンピックを経て迎えるシーズンへの展望を語ってもらった。

「千葉ジェッツというチームを優勝させたい」思いは強かった

 2020-21シーズン、千葉ジェッツは3度目のファイナルで勝利し、念願のBリーグタイトルを手にした。


 しかし2016年のリーグ開幕以降、常に優勝候補に位置づけられてきたチームなのだから、優勝という事実だけでは特段の驚きをもたらさない。ただし、そこへたどり着くまでの道程を知れば、薄氷の上を歩くような過程を経てのものだったとわかる。


「優勝するまでの最後の1か月半は、チームで練習をした記憶がほとんどない」


 ジェッツのエースPGである富樫勇樹が述べたその言葉が、それを表している。


 3月末。チーム内に新型コロナウイルス感染者が出たジェッツは、チーム活動の停止を余儀なくされた。シーズンが佳境に入ろうとする時期だった。試合が延期となっただけではない。約2週間、練習も許されなかったのだからプロチームとしては影響が皆無であろうはずがなかった。


 活動停止が解け、チームが試合を再開したのは4月14日のサンロッカーズ渋谷戦からだったが、ここからシーズン最長となる3連敗を喫した。シーズンは残り3週間ほど。しかも延期になった試合が新たに組み込まれ、残りの日程は過密になっていた。だからこそ、練習の時間は削られていったのだ。


 それでもジェッツは、9連勝でシーズンを終えた。そしてポストシーズンも勝ち進み、最後は優勝という最高の形で締めくくった。


 練習ができない不安は、換言すればストレスでもあった。それでも、チームのキャプテンを任されていたこの男は持ち前の前向きさを失わなかった。上述の3連敗中も、結果こそ黒星を喫していたが内容は「ポジティブにしか思えなかった」と富樫は話した。


 琉球ゴールデンキングスとのチャンピオンシップ・セミファイナルから宇都宮ブレックス相手のファイナルまで、まともな練習を1度もこなせなかったことすらも、却って良かったと言う。


 琉球との最終第3戦は5月24日(月)の夜に終了し、翌日は移動、その次の日も十全な練習はできなかったと富樫は振り返る。27日(木)になってようやく十分な練習ができたというが、この出来が「かなりひどかった」というのだ。


 だがそんな状況でファイナルに入ったにも関わらず、というよりもだからこそ良かったのだと、開き直れたのだと富樫は言う。


「もし(琉球とのセミファイナルが)土日で終わっていて火、水、木としっかり練習ができていたら、逆に頭が混乱していたんじゃないかと。できていない練習を続けても選手たちもストレスになるし、コーチ陣もそうだったと思います。だから、僕は練習ができないのならば試合でやるしかないという感じではいました」


 試合が終われば次の対戦相手への対策を講じ、セットプレイや細かい決まりごとを、練習を通じて身体で覚え込むのが普通だ。


 だが富樫は「これくらいの(過密)日程のほうがあまり練習をしなくていいので嬉しい」と冗談を込めつつ、無邪気な笑顔で話していた。

今シーズンもキャプテンとしてチームをけん引することになった
今シーズンもキャプテンとしてチームをけん引することになった【(c)CHIBAJETS FUNABASHI】

 このポジティブな男が、才能ある選手の集まる、ある意味でアクの強い集団であるチームのリーダーであるからこそ、ジェッツはジェッツたりえる。昨季は初めてキャプテンに指名されたが、当人は何か特別なことができたわけじゃない、と謙遜する。だが、彼が元来持つポジティブな姿勢やエネルギーが、チームにとって苦しい時でも前に進む動力源となっていたはずだ。


 2020−21シーズンのジェッツは、東地区2位、全体でも2番目の勝率だった43勝14敗という成績以上に苦しんだ。端的に言えば、試合中の悪い流れを断ち切って、自分たちのペースにすることがなかなかできなかった。


 だからこそ、ブレックスに勝ち、優勝を遂げた時の喜びは大きかった。2017-18シーズンから2年連続でファイナルに進みながらいずれも一歩及ばず敗れていた苦い思いももちろん、その要因となった。


「2年連続でファイナルで負けたあの経験が、千葉のブースターも含めてずっと残っていましたし、コーチ陣も僕らも優勝と2位では本当に全然違うと思っていました。内容よりも、本当に全員、優勝したいという気持ちがすごくありました。今年はキャプテンを初めて任されて、その立場で何かをしたというのも全然ないんですけど、この千葉ジェッツというチームを優勝させたいという思いは強かったです」


 富樫は、チームを勝たせたいという思いを振り返った。

永塚和志(構成:バスケットボールキング編集部)

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