二兎を追う革命児・バドミントン渡辺勇大 世界的に希少、2つのメダルを狙う
バドミントンの男子ダブルスと混合ダブルスの2種目でメダルの可能性がある渡辺勇大。バドミントンにおいて渡辺のような選手は珍しい 【Getty Images】
国技とするインドネシアでも「アイツは天才だ」の評価
経験豊富な遠藤と組む男子ダブルスでも世界で結果を残してきた 【Getty Images】
中学時代(富岡第一中、猪苗代中)に指導していた、ふたば未来学園中の齋藤亘監督は「体が小さくて細く、下級生のうちは、まだそれほど勝てる選手ではありませんでした。でも、ラケットワークは器用。スピードのあるプレーの中でもフェイントを使い、相手の裏を突けるのが、彼のすごいところです」と才能の片りんをうかがわせていた当時の印象を振り返った。
その素質は、海の向こうでも評価された。中学3年のときにバドミントンを国技とするインドネシアへ遠征した際もなかなか勝てなかったというが、齋藤監督は「観客から人気があり、向こうのコーチからは『アイツは天才だ。インドネシアにもああいう選手がほしい』と高く評価されました。まだ日本で成績を出す前の話です」と続けた。
中学・高校時代は男子ダブルスがメイン。その中で、同じ学校で1学年上の東野と混合ダブルスを組む機会が生まれた。世界ジュニア選手権に出場するなど、国内の学生が目指す全国中学校大会やインターハイでは採用されていない希少な種目で飛躍の可能性を広げていった。
高校を卒業した2016年、東野が在籍していた日本ユニシスに入社。同時に、その年のリオデジャネイロ五輪に出場していた遠藤が、パートナーの早川賢一の引退によってペアを解消することになったことを受け、渡辺が新たなパートナーに名乗りを挙げ、2種目での世界挑戦が本格化した。