ファン・番記者が選ぶ「Jリーグ最強の補強・衝撃の移籍」

Jクラブ歴代最高の補強・G大阪編 1位にはやはりあのレジェンドが…

高村美砂
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01年に市原(現・千葉)から加入した山口(中央)はG大阪に11年在籍。長く最終ラインの核として活躍したCBは、果たして何位に? 【(c)J.LEAGUE】

 Jリーグのオリジナル10の5チームの歴代最強の補強選手たちを紹介するこのコラム。今回は2005年にJ1初優勝を飾り、2008年にACL制覇、さらに2014年には国内3冠の偉業を成し遂げたガンバ大阪だ。長年チームに密着し、取材活動を続けてきたライターの高村美砂氏に思い入れたっぷりの「クラブ史上最強の補強トップ10」を選んでもらった。

10位:今野泰幸

CBとしても一流だった今野だが、G大阪では主にボランチとしてプレー。遠藤と長くコンビを組み、14年の3冠にも多大な貢献を果たした 【Photo by Masashi Hara/Getty Images】

12年にFC東京から獲得(19年7月まで在籍)

 10年に及んだ『西野ガンバ』が終焉の時を迎えた翌年、かねてからのラブコールが実を結び獲得に成功。ただし、その存在の大きさを知らしめたのは、J2リーグ優勝を飾った入団2年目の13年や、J1リーグに復帰した14年あたりからだ。

 チームメイトでさえ驚くボール奪取力で中盤を制するだけではなく、時にCBにポジションを変えながら、攻守に渡って貢献。責任感が人一倍強く、勝ちきれない試合が続いていた14年のシーズン序盤、大宮戦で決勝ゴールを決めた時には「負けていたら舌を噛んで死のうと思った」と言ったほど。このシーズンは「人生最大のスランプ」(本人談)に苦しんでいたが、それを乗り越えた後半戦は遠藤保仁とダブルボランチを担い、ハイパフォーマンスで3冠に貢献した。

9位:エムボマ

在籍したのは1年あまりと短かったが、エムボマは驚異的なフィジカル能力を活かしたプレーで強烈なインパクトを残した 【(c)J.LEAGUE】

97年にパリ・サンジェルマンから獲得(98年6月まで在籍)

 Jリーグ草創期のガンバは、タレント揃いで全国的に人気の高いチームだったが、一方で成績は振るわず、下位に低迷するシーズンが続いていた。その歴史を大きく変えたのが、97年に加入したこのカメルーン代表FWだ。

 97年は、それまで主軸だった磯貝洋光、山口敏弘らを放出するなど、大きな改革を行ったシーズンだったが、若いチームを圧巻の得点力で牽引。特にセカンドステージでは6試合連続ゴールなど大爆発し、その活躍に導かれるようにチームは当時のJリーグ記録となる9連勝を飾り、クラブ史上初めて首位にも立った。結果的にタイトルには手が届かなかったものの、エムボマはエースとしてチームをクラブ最高順位(年間総合4位)に導き、自身も25ゴールを挙げてクラブ初の得点王に輝いた。

8位:パトリック

シーズン途中の加入ながら、14年のパトリックは19試合で9ゴールを記録。3冠達成の立役者のひとりとなり、Jリーグベストイレブンに選ばれた 【Photo by Masashi Hara/Getty Images】

14年7月にサルゲイロから獲得(17年6月まで在籍)
19年7月に広島から獲得(在籍中)


 チームがJ1に復帰した14年。苦しい戦いが続いていた中で、ワールドカップによる中断期間中に加入。Jリーグでのプレー経験も助けとなり、初先発を飾った16節の清水戦でゴールを奪ったのを皮切りに、3試合連続ゴールでチームを完全に波に乗せた。

 印象深いのはこの年のルヴァンカップ決勝。2点のビハインドを負うチームを自身の2ゴールで蘇らせ、『長谷川ガンバ』の初タイトルに大きく貢献した。さらにJ1でも、宇佐美貴史と組む2トップが機能。攻撃を加速させる役割を担い、優勝に尽力した。当時はまだ荒削りな面も目立っていたが、広島でのプレーを経て19年の夏に復帰してからは、経験の中で培った足もとの技術も活かしながら前線で存在感を発揮している。
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著者プロフィール

関西一円の『サッカー』を応援しようとJリーグ発足にあわせて発刊された、関西サッカー応援誌『GAM』『KAPPOS』の発行・編集に携わった後、同雑誌の休刊に伴い、1998年からフリーライターに。現在はガンバ大阪、ヴィッセル神戸を中心に取材を展開。イヤーブックやマッチデーブログラムなどクラブのオフィシャル媒体を中心に執筆活動を行なう。選手やスタッフなど『人』にスポットをあてた記事がほとんど。『サッカーダイジェスト』での宇佐美貴史のコラム連載は10年に及び、150回を超えた。兵庫県西宮市生まれ、大阪育ち。現在は神戸在住。

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