松田宣浩、今季の目標は“最多安打”!? 意外なタイトルに込められた想い

田尻耕太郎
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自主トレのテーマは「基礎体力の向上」

今年の5月で38歳になる松田だが、プレースタイルは若々しさそのもの。オフは国内で自主トレを行い、もう一度基礎体力を向上させることをテーマにしていた 【写真は共同】

 球春を歓迎する拍手や声援のないキャンプをまもなく迎える。その前段階である自主トレもまた、各プレーヤーは異例の対応を迫られた。なかでも温暖な海外を求めていた選手たちは場所の変更を余儀なくされた。

 福岡ソフトバンクの松田宣浩もその一人だ。

 プロ1年目のオフから昨年まで14年連続でグアム自主トレを行ってきたが、新たな自主トレの地に選んだのは宮崎だった。チームの春季キャンプで使用している施設とは別の場所だったが、「考えた通りの練習がしっかりできました」と胸を張る。自信を持ってプロ16年目のシーズンインを迎えられると強調した。

 例年ほど真っ黒に日焼けをしていない顔だが、とても今年で38歳を迎えるとは思えないほど肌ツヤがよく見えた。なによりキュッと引き締まった輪郭。充実感をそのまま表していたように感じられた。

「今回の自主トレの一番のテーマは、もう一度基礎体力を向上させること。バットを振るとかボールを捕るよりも、走ることやウエートトレーニングといったフィジカル面をしっかり鍛え上げる方が今後に生きると考えたからです」

特にランニング系に力を入れる

例年以上にランニング系のメニューを多くこなし、西戸崎にある大嶽神社だけでなく久留米でも階段上りのトレーニングを行った 【写真は共同】

 元来から自主トレ期間はランニング系のメニューを大事にしている松田だが、今オフは特に力を入れた。

 毎年、練習始めは福岡市東区西戸崎にある大嶽神社の階段上りと坂道ダッシュを行うのが通例だ。かつて、この近くにはホークスの選手寮があり、その当時は新人合同自主トレで必ず訪れる場所だった。この階段上りと坂道ダッシュはいわばホークスの登竜門。松田は「初心を忘れないために」と、毎年この場所から一年のスタートを切っているのである。

 例年は1月5日前後の始動日とその翌日に訪れるくらいだったが、今年1月は6度も通った。さらに宮崎自主トレを打ち上げた後も、福岡県久留米市で同様のトレーニングを行った。
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著者プロフィール

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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