
篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)、多嶋朝飛(レバンガ北海道)、井手勇次の3ガードを前面に出した攻防とキャプテン八木昌幸を軸に、2006年のインターハイを制した北陸(福井)。3ガードが仕掛ける強力なディフェンスを武器にウインターカップでも決勝に進出した。
だが、この年の冬を制したのは、夏は北陸の前に涙を飲んだ洛南(京都)だった。湊谷安玲久司朱を中心に、2年生シューター辻直人(川崎ブレイブサンダース)や1年生でキーマンとなった比江島慎(宇都宮ブレックス)といった下級生たちの成長が目覚ましく、決勝では104-82で圧勝。これが洛南3連覇の始まりだった。
決勝で敗れながらも、3ガードのインパクトを残した北陸の多嶋朝飛に、多くのBリーグ選手を輩出した2006年ウインターカップと決勝の話を聞いた。
お互いにこう動くだろうと信じ切ってやっていた

僕らの代はインターハイで石崎さん(巧、琉球ゴールデンキングス)たち以来となる優勝をした年でした。優勝したときは「これが全国優勝なのか」という感じで、実感が半分あるようなフワフワした感じでした。優勝した瞬間にみんなでコートになだれ込み、苦しかった日々を喜べたのは素晴らしい経験だったと今では思えるのですが、そのときは「全国獲ったぜ!」という実感はなかったですね。
冬も優勝を目指して臨んだウインターカップ。メインコート(準々決勝)になって最初に対戦したのは明成(宮城)でした。創部2年目の1、2年生チームなので負けられない気持ちがありましたし、若くて勢いを出されることもあったので、自分たちのオフェンスからパッシングゲームをやることは変わらずに意識して快勝(95-61)しました。
大変だったのは準決勝の八王子(東京)戦。3点差(82-79)の際どい勝利でした。早い時間で大量リードをしたけどすぐに接戦になって逆転されてしまい、残り30秒くらいで井手のスリーが決まって逆転しました。でも、あのゲームのハイライトは井手の3ポイントの前に僕と竜青と井手がダブルチームしたり、ダイブしたり、スティールしたプレーですね。それが自分たちの良さというか、強さでした。あのディフェンスができれば自分たちの流れが出ますし、1つのボールに対して気持ちを出してダイブできるのが、あの年の強さだったと思います。
オフェンスだったらアイコンタクトをするとか、今までの積み重ねによる息のあったプレーってあるじゃないですか。それがディフェンスでできていた感覚です。「僕がこう行ったら竜青がこう来るだろう」とか「竜青がこうするから僕と井手はこうするだろう」という読みが自然に分かる感覚ですね。これは、ひたむきに、ひたすら頑張るというよりは、積み重ねによるもので、どこで駆け引きして、どこで狙うか、どこでトラップに行けるかというのを、3人のガードが分かっていたからできたのだと、今になって思います。何か約束事があって動くというより、お互いにこう動くだろうと信じ切ってやっていた年でしたね。
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