高校サッカー選手権「名勝負ランキング」

乾貴士が振り返る野洲vs.鹿実の舞台裏 「あの優勝で、プロへの道が開けた」

青柳舞子
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15年前、高校選手権で旋風を巻き起こした野洲で2年生ながら中心選手だった乾。当時、野洲は「セクシーフットボール」と称えられたが…… 【青柳舞子】

 世界最高峰のラ・リーガで戦い、日本代表としてワールドカップでゴールも決めた乾貴士。彼の名が、日本中に広まったのが2005年度に開催された第84回全国高校サッカー選手権だった。14番を背負い、高校2年生で挑んだこの大会は、固い絆で結ばれている“あの人ら”と共演した最後の夢舞台。15年が経った今なお鮮明に蘇る数々のシーンとゴールの軌跡……。乾にとって、“センシュケン”とは何だったのか?

“あの人ら”と全国に出たかった

――今回、「ファンが選ぶ!高校サッカー選手権・名勝負ランキング」の21世紀編で野洲対鹿児島実業の決勝が1位に、そして「歴代ポジション別ランキング・MF編」で乾選手が3位になりました。感想を聞かせてください。
 びっくり……いや、ほんまにびっくりですね。嬉しいですけど、他にもたくさんいるやろ、って率直に思いました。それこそMFなら(本田)圭佑くん(ボタフォゴ)とか、ヤットさん(遠藤保仁/ジュビロ磐田)とか。それでも、っていうことは、やっぱり優勝していることも関係あるのかな。俺からすると、あの優勝はオマケみたいなものやったんですけどね。

――優勝がオマケですか?

 正直な気持ちとしては、全国優勝よりも、とにかく全国に出たかったんです。

――それは、あの野洲のサッカーを全国でやりたいという気持ちからですか?

 いや、あのサッカーをやりたいというよりも、あのメンバーで出たかった。“あの人ら”と全国に行きたい、出たいって。その気持ちが強かったんです。
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