連載:フォトグラファーが選ぶ、フィギュアスケート珠玉の一枚

紀平梨花・珠玉のベストショットを厳選 控えめな笑顔の瞬間に彼女らしさが出る

構成:スリーライト
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 アスリートの瞬間を切り取り、観る者に感動を増幅させてくれるスポーツフォトグラファーたち。すべての人間が同じプログラム、同じシーンを観ているなかで、彼らはいかにスケーターの「らしさ」、そして自分の写真「らしさ」を表現しているのだろうか。第2回は、紀平梨花選手の「珠玉の一枚」を4人のスポーツフォトグラファーが厳選。被写体としての紀平選手をどう切り取ったのか、その撮影意図について語ってもらった。

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2017年全日本選手権 【写真:Kiyoshi SAKAMOTO】

 2017年の武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた全日本選手権からセレクトしました。私は当時のフリーのプログラムである『道』にすごく思い入れがあります。この時の全日本選手権は、平昌五輪の出場権がかかっていた大会だったのですが、当時15歳だった紀平選手は年齢制限で平昌五輪に出場できませんでした。ちなみに、この『道』という曲は10年前に高橋大輔選手が使用していた曲で、高橋選手はこの『道』でバンクーバー五輪の出場を決めました。

 紀平選手はこの大会で、ショートで1本、フリーで2本、計3本のトリプルアクセルを決めて、合計208.03点をたたき出し、3位で表彰台に上りました。

 今回私がセレクトした写真は、紀平選手が2回目のトリプルアクセルを跳んだ後のシーンかと記憶しています。背景に写る観客がみんな拍手をしていて、喜んでいるのが分かると思います。
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