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羽生結弦・珠玉のベストショットを厳選
すべてのシーンで絵になる世界王者の演技

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 アスリートの瞬間を切り取り、観る者に感動を増幅させてくれるスポーツフォトグラファーたち。すべての人間が同じプログラム、同じシーンを観ているなかで、彼らはいかにスケーターの「らしさ」、そして自分の写真「らしさ」を表現しているのだろうか。第1回は、羽生結弦選手の「珠玉の一枚」を4人のスポーツフォトグラファーが厳選。被写体としての羽生結弦選手をどう切り取ったのか、その撮影意図について語ってもらった。

能登直「角度を変えれば新しい羽生結弦を表現できる」

【写真1】2019年グランプリファイナル
【写真1】2019年グランプリファイナル【写真:Sunao Noto】

 僕は同郷という縁もあり、2007年から結弦くんを撮影してきましたが、精神的にブレないというか、小さい時からしっかりしたスケーターだなというイメージを持っています。ずっと彼を撮影してきた側の感覚として、拠点を仙台からカナダのトロントに移した時にコーチ・振付師も変更になり、徐々に撮るのが難しいプログラムに進化していった印象を持っています。


 ソチ五輪の前くらいまではフィギュアスケートは女子の方が人気があり、当時は、そこまで「他のフォトグラファーとの違いを出さなければ」とは意識していませんでした。その後、徐々に男子の人気が高まり、多くの写真が世の中にあふれ、自分の写真が埋もれそうな状況になってきました。結弦くんはそういう意味で、僕に他のフォトグラファーとの違いを意識して工夫する必要性を気付かせてくれたスケーターです。

【写真2】2019年世界選手権
【写真2】2019年世界選手権【写真:Sunao Noto】

【写真1】は昨シーズンのグランプリファイナルで撮影しました。【写真2】は2シーズン前の世界選手権で撮影しました。この2枚は、同じプログラムの同じシーンです。


【写真2】はアイスレベルに近いポジションから撮影しましたが、手と足は一直線に写っていない。【写真1】は高いポジションから撮ることで体のラインとしなやかさをきれいに表現することができました。試合でこれくらい上から撮るのはなかなか勇気がいります。グランプリファイナルの会場は、氷がきれいな背景になると思ったので、あえて下からではなく上から撮影しました。僕はなるべく選手の近くで表情を切り取りたいと思っていて、どうしてもアップ目で撮りたいという意識が働いてしまいます。そこをあえて上から撮ることで、こんな絵が撮れるんだなと再認識させられた一枚です。


 結弦くんは、現役のスケーターのなかでも特に一瞬を切り取ることが難しいスケーターです。結弦くんの人気がいまだ衰えないなかで、彼を撮るためにたくさんのフォトグラファーが会場にやってきます。僕以外も良い写真を撮っている中で、そこに埋もれない「良い瞬間」を撮らなければいけません。フォトグラファー同士が競い合って撮影できる環境を彼が与えてくれたと思います。


 また、振付的にも結弦くんは「ここを撮りなさい」というシーンがあまりないんです。そんな結弦くんの、どの瞬間をどう切り取るかというところに個性や感性があらわれる。そこを楽しみながら撮れるというのは、フォトグラファーからすると本当におもしろいです。

構成:スリーライト

スポナビDo

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