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ZOZO大会事務局長の畠山恩さんが明かす
異例の米国開催を決断した理由と舞台裏
米国開催を決断した理由や舞台裏について、トーナメントディレクター(大会事務局長)である畠山恩さん(写真右)に話をうかがった
米国開催を決断した理由や舞台裏について、トーナメントディレクター(大会事務局長)である畠山恩さん(写真右)に話をうかがった【写真提供:ZOZO CHAMPIONSHIP】

 タイガー・ウッズと松山英樹による優勝争いにファンが酔いしれた昨年の第1回大会。PGA(米国男子)ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」は、今年も日本で熱戦が繰り広げられる予定だった。しかし、コロナ禍の影響で日本での開催は難しい状況に。そんな中、大会の中止でなく米国開催を選んだ理由とは? トーナメントディレクター(大会事務局長)である畠山恩さんに話をうかがった。

社員、大会事務局長、ファンの立場として葛藤

ーー米国開催になった経緯を教えていただけますか?


 新型コロナウイルスの状況がいろいろと変わってくる中、それこそ1カ月先、3カ月先、6カ月先が誰も予想ができないという状況の中に私たちも身を投じることになりました。国内のトーナメントが中止になったり、開催されても無観客になっていく中、あらゆる選択肢をPGAツアー側と話をしてきました。開催しないという選択肢から、無観客、または観客動員数を減らすなど。そんなところで出てきたのが、米国開催という『ウルトラC』でした。


ーー米国開催という話はどちらの提案でしょうか?


 PGAツアー側から選択肢の1つとして、米国開催もあるよねという提案がありました。全てのシミュレーションを私たちの中で検証して、どれが本当にベストなのかという議論を何度も重ねさせていただきました。ですので必ずしも初めから米国開催に向けて動いていたわけではありません。


ーーそのシミュレーションには具体的にどのような選択肢がありましたか?


 日本開催で無観客という案もありましたし、観客数をぐっと絞ってやりましょうという案もありました。決定までの数カ月間、私自身が相当苦しい思いをしたというのが正直なところです。株式会社ZOZOに勤めている立場の私ももちろんいるし、大会事務局長という立場の私もいて、いちゴルフファンの私もいるわけですけど、毎日複雑な気持ちでした。


 昨年の写真を振り返ると、やっぱり「ファンの方がいてこそのZOZOチャンピオンシップ」というのはすごく感じましたね。私もゴルフファンとしては日本で開催したいと思う一方で、大会事務局長としては大会を是が非でもファンの人に届けなきゃダメだろうと思ったし、株式会社ZOZOの社員として言えば、じゃあリスクヘッジはどうなんだとか。いろいろな課題がある中で、米国開催という大きな決断に至るまでは相当な葛藤がありました。


 トーナメントはみなさんとともに育てていくものだと私は感じているので、もし今年やらなかったら、昨年みなさんにお見せできたものがまたゼロに、もしくはマイナスに戻ってしまうのではないかという不安もありました。昨年灯した火を絶やさないでおくことも私の使命と思っていましたし、それがどういう開催になったとしても「ZOZOチャンピオンシップ」が続いていくことが大切ということはずっとベースにありながら、最後に米国開催という決断を下しました。

ゴルフ愛と火を絶やさない使命感

9月1日に「ZOZOチャンピオンシップ」の米国開催が決定した
9月1日に「ZOZOチャンピオンシップ」の米国開催が決定した【写真提供:ZOZO CHAMPIONSHIP】

ーー米国開催になると発表したのは9月1日でした。日本での開催もギリギリまで検討していたのですね。


 さまざまなシミュレーションを開始した時期は、コロナ禍が徐々にピークになってきたタイミングでした。3月、4月の時点は、本当に世の中の情勢的にも厳しい時期でした。


ーー4月には非常事態宣言が発令されました。


 有観客という状況が10月までの半年後に作れるのか正直わからなかったし、PGAツアーも3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」から中止になりました。どういう形でやるのがベストなのかと考えていたのが、途中からどうしたら開催できるのかに変わっていきました。


ーー米国内で事業をされていない株式会社ZOZOが米国開催に踏み切れた理由は?


 やっぱりゴルフ愛ですかね。


 日本の国内のゴルフツアーが置かれている状況やゴルフ業界自体の現状、米国の状況をタイムリーに会社の方には伝えていました。こんな時だからこそゴルフ業界を盛り上げなくてはと思っていましたし、これで大会がなくなってしまうと、ファンの人もそうですが、ゴルフ界全体の元気がなくなってしまうのではないかと思い、勝手な使命感を感じてやらせていただいていたところもありました。


 火を絶やさないというのは会社の中で「ZOZOチャンピオンシップ」をやろうとする企業としての姿勢、ファンとしての希望、日本のゴルフ業界へ向けてという三方向の気持ちがあったという感じですね。

北村収
北村収

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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