ファンが選ぶ! マスターズ名場面ランキング
記事
スポーツナビで投票を募った「ファンが選ぶ! マスターズ名場面」の結果をランキング形式で発表します。
ゴルフファンの皆さんが最も印象に残っているのは、果たしてどの場面だったでしょうか。
※上位はスポーツナビアプリでご覧いただけます。
順位 | 開催年 | 場面 | 得票率 |
---|---|---|---|
1 | 2005年 | タイガー・ウッズ「16番の奇跡」 世界が震えた神業チップイン | 48.91% |
2 | 2019年 | 長い不振に苦しんだタイガー・ウッズ、43歳で果たした完全復活優勝 | 43.23% |
3 | 1986年 | 46歳のジャック・ニクラウス、史上最年長マスターズ制覇 | 18.34% |
4 | 2016年 | 連覇が見えたジョーダン・スピース、「魔の12番」で痛恨の池ポチャ | 14.85% |
5 | 1997年 | 21歳のタイガー・ウッズ、コースレコード18アンダーで初優勝 | 14.41% |
6 | 1996年 | グレッグ・ノーマン6打差首位から大失速 語り継がれるニック・ファルドとの死闘 | 11.35% |
7 | 2001年 | タイガー・ウッズが史上初のメジャー4連勝 伝説の「タイガースラム」達成 | 10.92% |
8 | 2004年 | 「無冠の帝王」フィル・ミケルソン、18番の劇的バーディーで悲願のメジャー初優勝 | 7.42% |
9 | 1978年 | 初出場の中島常幸に魔女の洗礼 アーメンコーナー13番で13打の大叩き | 6.99% |
10 | 1980年 | スペインの23歳・セベ・バレステロス、欧州勢初優勝&当時の最年少優勝記録を更新 | 6.55% |
11 | 1977年 | 「帝王」ニクラウスとの熱戦を制し、トム・ワトソンが「新帝王」の地位を確立 | 6.11% |
12 | 1987年 | 地元オーガスタ出身のラリー・マイズ、約40ヤードの奇跡のチップイン | 5.24% |
13 | 1995年 | 悲しみを乗り越えたベン・クレンショー ジュニア時代からの恩師に優勝を捧げる | 4.80% |
14 | 2013年 | アダム・スコットが豪州勢初の栄冠 アンヘル・カブレラとのプレーオフ制す | 4.37% |
15 | 2011年 | 2位に4打差をつけたロリー・マキロイ、最終日の10番で痛恨トリプルボギー | 3.93% |
15 | 2015年 | 21歳のジョーダン・スピース、最少スコアタイの18アンダーでメジャー初制覇 | 3.93% |
17 | 2017年 | 「神の子」セルヒオ・ガルシア、メジャー挑戦74度目で栄光をつかむ | 3.49% |
18 | 2009年 | 片山晋呉、首位とわずか2打差 日本人最高の単独4位 | 3.06% |
19 | 1990年 | ニック・ファルドがマスターズ連覇 ニクラウス以来の史上2人目の快挙 | 2.62% |
20 | 1985年 | ベルンハルト・ランガー、ドイツ人初のメジャータイトルを獲得 | 2.18% |
スポーツナビアプリ 無料ダウンロード
- アプリケーションはiPhoneとiPod touch、またはAndroidでご利用いただけます。
- Apple、Appleのロゴ、App Store、iPodのロゴ、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
- iPhone、iPod touchはApple Inc.の商標です。
- iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
- Android、Androidロゴ、Google Play、Google Playロゴは、Google Inc.の商標または登録商標です。
寸評
48.91%、すなわち2人に1人が選び断トツの票を獲得したのが、2005年大会の最終日に16番パー3でタイガー・ウッズ(米国)が見せた“奇跡のチップイン”だ。ティーショットはグリーン左に大きく外すミス。そこからパーをセーブするのは不可能に思われた。だが、ピンのはるか左に低く打ち出されたボールは、スピンが効いて急ブレーキがかかると、そこから右に90度旋回。池への下り傾斜をゆっくりとピンに向かって行き、最後のひと転がりでカップに消えた。このミラクルな一打に、タイガーは雄たけびを上げ、当時の相棒スティーブ・ウィリアムスと何度もハイタッチを交わし、グリーンを取り囲むパトロンの興奮も最高潮に。このバーディで2位のクリス・ディマルコ(米国)に2打差をつけたタイガーだったが、続く17番、18番でまさかの連続ボギーをたたき、ディマルコに並ばれてしまう。それでも、プレーオフ1ホール目で5メートルのバーディパットを沈め、3年ぶり4度目のマスターズ制覇を果たしたのだった。
3位に入ったのは、1986年の“ジャック・イズ・バック”、帝王ジャック・ニクラウス(米国)の大会史上最年長46歳での逆転優勝だ。3日目終了時点でのニクラウスの順位は、トップのグレッグ・ノーマン(豪州)と4打差の9位。それ以前にメジャーに勝ったのは1980年の全米プロが最後で、マスターズに至っては10年間勝っていなかったのだから、ニクラウスの優勝を予想する声が上がらなかったのも無理はない。だが、最終日、ニクラウスは9番からの10ホールで、1イーグル・6バーディを奪う猛チャージ。この日のベストスコア「65」をたたき出し、通算9アンダーでホールアウトすると、ノーマンをはじめ後続のプレーヤーは誰も上回ることができなかった。大会史上最多の6勝目は、ニクラウスにとって最後のメジャー優勝となった。タイガーが登場するまでの四半世紀は、オーガスタの主役は間違いなくニクラウスだった。
4位には、2016年大会でのジョーダン・スピース(米国)の“悲劇”が入った。前年の15年、21歳で大会史上最少ストロークに並ぶ通算18アンダーで大会初優勝を飾ったスピース。この年も最終日を首位で迎えると、フロントナインを「32」で回り、2001年、02年のタイガー以来の連覇は確実かと思われた。だが、10番、11番を連続ボギーとすると、12番パー3では、まさかの2度の池ポチャで「7」。その後もスコアを伸ばせず、3打差の2位タイに終わり連覇を逃した。
5位にランクインにしたのはまたもタイガー。1997年の大会初優勝が入った。前年に名門スタンフォード大学を2年で中退し、8月にプロ転向。10月に早くもPGAツアー初優勝と2勝目を挙げると、プロとして初参戦した97年のマスターズで、史上最年少の21歳3カ月、大会史上最少ストロークの通算18アンダーでメジャー初制覇。2位のトム・カイト(米国)に12打もの大差をつけた衝撃的な優勝は、タイガー時代の到来を告げるものだった。
6位には、1996年大会でのグレッグ・ノーマンの“大失速”がランクイン。2位のニック・ファルド(英国)に6打差をつけ、最終ラウンドをスタートしたノーマンは、この日「78」。全英オープンを2度制したノーマンだが、ついにグリーンジャケットに袖を通すことはなかった。
そして7位にはタイガーが4度目の登場。年をまたいでのメジャー4連勝を意味する“タイガースラム”を果たした2001年大会での大会2勝目がランクインした。
このほか、ニクラウスに競り勝ち、“新帝王”誕生を印象づけたトム・ワトソン(米国)の大会初優勝(1977年)、初出場した23歳の中島常幸がオーガスタの魔女の洗礼を受けた13番ホールでの「13打」(78年)、今は亡きセベ・バレステロス(スペイン)が23歳で成し遂げた欧州勢としての初優勝(80年)など、マスターズの歴史を彩る名手たちの思い出深いシーンもオールドファンからの票を集め、上位にランクインした。
例年、熱狂的な応援で大会を盛り上げるパトロンがいない今年のマスターズだが、プレーヤーたちには、多くのファンの記憶に残り、後世にまで語り継がれる名シーンを見せてほしいものだ。
(文・魚住了)