伝説のペールワン戦で猪木が見た光景 酷評のアリ戦が報われたパキスタン遠征
今でもペールワンの歯型が残っていますよ
リングサイドにはアクラムの弟子が500人ほど並んでいて、10万人の観客でクリケット場がびっしりと埋め尽くされていましたね。
――そんな敵地で、ルールも決まらないままリングに上がり、猪木さんがアクラムに関節技を極めても、アクラムはギブアップをしなかった。
表情を見て「絶対にギブアップしない」と、分かりましたよ。
――ここからがすごいところですが、猪木さんはさらに関節技で絞めあげてアクラムの肩関節を外してしまい、さらにフェイスロックで絞めあげた。それでもアクラムが猪木さんの手に噛みついて抵抗してきた。
今でも歯型が残っていますよ(と、右手を見せる)。
試合でアクラムに噛まれた傷痕は、いまだに残っているという 【撮影:菊田義久】
彼は絶対にギブアップはできなかったんでしょう。それは言葉も通じないし、分からないんだけど。もう一つは、体つきがそんなに筋肉隆々じゃないけど、ダブルジョイントというか、関節がものすごく柔らかくて、関節技は極めにくかった。そんな印象でしたよ。
――それでも猪木さんが関節技を極めると、アクラムはギブアップしない。それなら折るしかない、と。
まあ「その先」にいけば、あとは「殺すか、殺される」しかないですからね。
(企画構成:有限会社ライトハウス)
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