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闘魂60周年記念、アントニオ猪木が語る3つのターニングポイント
勝ち名乗りで両手を上げて敵から英雄へ
パキスタンの観衆が猪木の虜になった瞬間

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「アクラム戦で両手を上げたから英雄になれた」と、猪木は当時のポーズをとってくれた
「アクラム戦で両手を上げたから英雄になれた」と、猪木は当時のポーズをとってくれた【撮影:菊田義久】

 今年でデビュー60周年を迎えたアントニオ猪木が、3つのターニングポイントを振り返る本企画。連載2回目は、パキスタン遠征の後編をお届けする。完全にアウェーの中で国民的英雄のアクラム・ペールワンの腕をへし折ったことで縁がつながり、一族の末裔(まつえい)を日本へ紹介することとなる。

アウェーの環境に身を置くと「闘う魂が燃えてくる」

――アクラム・ペールワンが「ギブアップしない」と見ると、猪木さんはアクラムの肩関節を外し、さらに目を突いた。その凄惨(せいさん)な状態になって、ようやくレフェリーが「アクラムは戦闘不能」と認め、勝敗が決しました。しかしながら、国の英雄が敗れたことでスタジアムは殺気立った。


 あの空気は「もう殺されてもおかしくないな」というほど異様なものでしたよ。ただ、こういう話になると冗談みたいなんだけど、昔は勝つと両手を上げていたんです。勝って、両手を上げた俺を見て、イスラム教のアラーの神への祈りを捧(ささ)げているんだと観衆が思って、異様な空気だった会場がスーっと静まり返った。


――それも伝説の一部として語り継がれていますね。


 翌日から大ヒーローですよ(笑)。ホテルの前には写真を撮ろうと大勢の写真屋が待っていて「猪木の写真を撮る」とひしめき合っていた。あの後、アクラムの弟が挑戦するしないがあって、パキスタンには1週間くらいいたのかな。


――しかし敵は10万人という圧倒的なアウェーの状況でした。そこにたった一人で乗り込んで、なぜ、そんな命の危険にさらされながらの闘いが出来たのでしょうか?


 なぜ? それしかないんだもん。


――それだけご自身の強さに絶対の自信があったから、ということですか。


 そんなに自信を持ったことはないんだけどねぇ(苦笑)。


――いえいえ、よほどの自信がなければ、10万人の中に1人で乗り込んでいけないですよね。


 まあ「俺は強いんだ」とは思ってはいたけど(笑)。そこまで強さを過信するようなことはなかったんだけど、そういう場面に出くわしてしまうと、闘魂、闘う魂が燃えてくるというのかな。


――緊張や恐怖ではなく「闘魂」が燃えてくる。


 そうなれば、やるしかないからね。

茂田浩司

スポナビDo

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