連載:大谷翔平、二刀流復活の序章

ツキに見放された大谷翔平の開幕戦 第4打席は「本塁打パターン」に入るも…

丹羽政善
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開幕戦に込められた「BLM」のメッセージ

大谷(中央)にとって3年目のシーズンは無観客に加え、人種差別反対の訴えとともに始まるなど、異例づくめの開幕となった 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 試合前、いつもの開幕戦のような派手な演出はなく、代わって、黒人選手がスコアボードのモニターを通して、思い思いのメッセージをリレー形式で発した。リーグとしてもそこに“Black Lives Matter(黒人の命も大事だ)”運動をサポートする意を込め、マウンドに描かれたロゴもMLBではなく「BLM」となっていた。

 その後、国歌斉唱。選手全員が1本の黒いリボンを手に持ち、人種差別反対を無言で訴える。一部は膝をつき、一部は拳を突き上げた。

 当然ながら無観客。ネット裏の席にはファンの写真を切り抜いたボードが、ずらりと並び、球場のスピーカーからはこれまでに録音したファンの声援が流された。

 そんな特異な状況だったが、先日、 マット・チャップマン(アスレチックス)は「無観客は、俺たちに有利に働く」と話し、自虐的に続けた。

「いつも、ガラガラの球場で試合をしているから」

 皮肉にも試合は、過去2年連続でゴールドグラブを受賞しているそのチャップマンのエラーで決まりかけた。昨季はわずか9失策。しかし7回、無死からアンドレルトン・シモンズの三塁ゴロを一塁へ悪送球してしまった。二塁まで進んだシモンズは、2つの外野フライで勝ち越しのホームを踏んだ。ところが8回、チャップマンは1死二塁でライトへ三塁打を放ち、ミスを帳消しにする活躍。その時点で勝ち越しの走者を迎え入れた。

 試合はその後、エンゼルスが9回に同点に追いついたが、延長10回裏、マット・オルソンがサヨナラ満塁本塁打を放ち、長い試合に決着をつけている。
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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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