ルーキーにみなぎるフッカーとしての自覚「フォワードをまとめ、勝利に貢献する」

【©ジャパンラグビーリーグワン】

春の訪れを告げる穏やかな気候の中で行われた豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)対日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)の一戦は、S愛知が強さを存分に見せつけ、54対19で日野RDを破った。

今季最多の8トライを奪い、快勝したS愛知。徳野洋一ヘッドコーチは以前から「2月は自分たちのラグビースタイルをもう一段階引き上げないといけない」と語ってきた。その2月に行われた2試合は、勝利を収めながらも「良い準備ができているぶん、それを試合中に発揮していくところをレベルアップしていく必要がある」と課題を残していた。

3月に入った今節では、その課題も十分に改善された。「キャプテンを中心に、リーダー陣が向き合ってトレーニングしてくれたので、選手の努力に感謝したい」と徳野ヘッドコーチは選手たちを称えた。レベルアップした姿を、結果と内容の両面でファンに見せることができた。

それでも、S愛知のラグビーはまだまだ未完成。ルーキーながらここまで全試合に出場しているフッカーの大山卓真は「セットピースが不安定だったので、もっと成長しないといけない」と反省を口にする。台所事情が厳しいフッカー陣の中で、グラウンドに立ち続けている大山。今節も前半終了時点で交替したが、代わりに出場した藤浪輝人のけがを受けて再び出場し、「いつもどおりのプレーを心掛けた」と平常心でリードを保った。

今節でディビジョン2に所属するチームとの対戦が一巡し、次節からは後半戦に入る。相手チームもS愛知の勢いを止めるため、さまざまな対策を講じてくるだろう。特にセットピースは、S愛知の生命線の一つ。より厳しい戦いになることは、大山も自覚している。

「フッカーとして自分からフォワードをまとめて、セットピースを安定させることで勝利に貢献したいと思います」

キャリアやこれまでの実績は、グラウンドに立てば関係ない。彼がチームをけん引する働きができれば、きっと後半戦も勝利を重ねられることだろう。

(齋藤弦)
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