連載:欧州ステップアップ移籍組、今季の「通信簿」と来季の「去就予測」

リバプールでの半年間はいまだノーゴール 南野拓実は我慢の時をどう乗り越えるか

田嶋コウスケ
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冬にリバプールの一員となり、半年後に30年ぶりとなるリーグ優勝を経験した南野。しかし、“真の一員”となるには、もう少し時間が必要なようだ 【Getty Images】

 2020年1月、南野拓実は5年半所属したオーストリアのザルツブルクから、欧州王者でありプレミアリーグでも首位を独走していたリバプールに加入した。CLでの直接対決で南野の能力を目の当たりにしたリバプールが熱望した移籍だったが、盤石の組織力と陣容を誇る名門クラブでスタメンに食い込むのは簡単ではない。プレミアリーグでの出場は9試合でいまだノーゴール。チーム内での評価はどうなのか。南野の現在地をレポートする。

南野拓実の通信簿

・貢献度:★★☆☆☆(2点)
・戦術への適応:★★★☆☆(3点)
・安定性・継続性:★★☆☆☆(2点)
・インパクト:★☆☆☆☆(1点)
・コミュニケーション:★★★☆☆(3点)
※5点満点

オランダ代表DFや主将が獲得を進言

 超強豪クラブの中に割って入っていくことの難しさを、強く感じさせた半年だった。

 南野拓実が欧州王者であるリバプールに加入したのは、今年1月1日のことだ。

 その3カ月前、日本代表MFはザルツブルクの一員としてチャンピオンズリーグに出場し、リバプール戦で1得点1アシストの活躍を見せた。

 最終的にリバプールが4-3で接戦を制したが、欧州王者をぎりぎりまで追い込んだザルツブルクと南野の奮闘は、英国メディアから高く評価された。

 それだけでなく、最終ラインを束ねるオランダ代表CBフィルジル・ファン・ダイクや主将のジョーダン・ヘンダーソンが試合後、ユルゲン・クロップ監督に南野の獲得を進言したことも話題になった。

 モハメド・サラーやアンドリュー・ロバートソン、サディオ・マネを獲得し、補強策をヒットさせ続けている敏腕スポーツ・ディレクターのマイケル・エドワーズも、日本代表MFの獲得にゴーサインを出し、南野はリバプールのユニホームに袖を通すことになる。

 だが、結論から言えば、入団してから7カ月間、物事はスムーズに進んでいない。
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著者プロフィール

1976年生まれ。埼玉県さいたま市出身。2001年より英国ロンドン在住。サッカー誌を中心に執筆と翻訳に精を出す。遅ればせながら、インスタグラムを開始

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