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柿谷曜一朗と高杉亮太の駆け引き
“あのゴール”の瞬間、何があったのか?

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後編

ペナルティーエリアに入ったところで、柿谷(写真右)はボールを1回転がし、高杉(写真左)の反応を見て次の動作に入った
ペナルティーエリアに入ったところで、柿谷(写真右)はボールを1回転がし、高杉(写真左)の反応を見て次の動作に入った【(C)J.LEAGUE】

 もう一度、ドリブルの場面をよく見てみよう。左サイドからゴールに向かいながら、柿谷はペナルティーエリアに入るあたりで歩幅を狭める。高杉は中へのコースを塞ぎ、柿谷を外に逃がすようなポジショニングを保ったまま、距離を縮めている。少なくともここまでは狙いどおりの対応だったはずだ。

相手の反応を見るための動き

 ペナルティーエリアに入ったところで、柿谷はボールを1回転がしている。ボールを前に押し出すのではなく、右足でタッチしながら、ごく自然な動きでボールの上をまたいでいる。「ここですね。足で転がしたときに相手のバランスを崩すというか、動きを止めるんです。その反応を見てからの切り返しだったと思います」柿谷は動きの意味をこう説明する。「ボールを転がす動きと、パスを出す動きは似てるじゃないですか。それで1回様子を見るというか、相手がどう反応するかを見る。相手が何を考えているかで反応が変わってくるんです」


 柿谷がボールを転がしたとき、高杉のバランスはまだ崩れていないが、足は止まっている。ファーのコースを消しているのだ。ここで柿谷が縦に抜け出していたら、高杉はおそらく読みどおり体を寄せに行くことができたに違いない。しかし柿谷にとって、このボールタッチは様子見にすぎなかった。「最初のボールを転がす動きに対して、高杉さんが一瞬止まったのが見えたんだと思います。シュートを警戒していなければ止まらないはずなので」柿谷にとっては次のプレーが本番だった。


「ファーを消してから縦で勝負する」という高杉のプランは、ファーサイドへのキックをブロックしていることが大前提になる。その意味では、柿谷のわずかなモーションでファーサイドを意識した反応は間違っていない。実際、高杉は自分の動きに合わせて、GK徳重がニアサイドにポジションを寄せていることもわかっていた。「ゴールのファーサイドが空いていることは気にしていた」と高杉も認めている。

坂本聡

スポナビDo

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