約7カ月ぶりのツアー出場 日本を元気にする渋野日向子の魅力とは?

北村収

一昨年の「アース・モンダミンカップ」初日、ホールインワンを達成した渋野日向子 【Getty Images】

 いよいよ渋野日向子がトーナメント会場に戻ってくる! 6月25日に開幕する「アース・モンダミンカップ」は、新型コロナウイルスの影響で無観客試合。現地での観戦はかなわないが、試合の模様は4日間ネットでライブ配信される。

 コロナ禍の影響で4カ月近く遅れて開幕となる日本女子ツアー。渋野は今季出場を予定していた米国女子ツアー2試合も中止となったため、海外ツアーも合わせてトーナメントの出場は昨年の日本女子ツアー最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」以来。約7カ月ぶりにツアー会場に姿を現す。

攻めるゴルフと精神的な強さが渋野の魅力

こんな表情を見せることもある渋野。しかし切り替えが早いことが強さの秘訣だ 【Getty Images】

 多くのファンを引きつける渋野のゴルフの魅力は何だろうか? 昨年のデータをチェックすると、平均バーディ数が1位、パーブレイク率(パー未満のスコアだったホールがそのラウンドのホール数に占める割合のこと)が1位と、攻めのゴルフがあげられる。

 さらにボギーかそれより悪いスコアで上がったホールの直後のホールで、バーディかそれよりいいスコアをマークする確率であるバウンスバック率も1位。メンタルのタフさも兼ね備えている。

 また、決勝ラウンドの平均スコアは2位。昨年の国内4勝はすべて決勝ラウンドで逆転しての優勝だったが、プレッシャーがかかる週末にスコアを大きく伸ばせるのも渋野ならではの持ち味。勝負どころで大事なパットを沈め満面の笑顔を見せるシーンをよくみるが、データでも裏づけられていた。

インスタでは明るい渋野を公開

世界のゴルフファンを魅了する『スマイルシンデレラ』 【Getty Images】

『スマイルシンデレラ』として世界に魅力を振りまいた笑顔も、もちろん渋野の魅力だ。トーナメントが開催されない間は、フォロワー数46.7万人(6月21日時点、以下同)のInstagramでファンの期待に応えていた。

 5月3日に「#だいぶ前に #1イニングだけ投げました」とハッシュタグが書かれた動画を投稿。ソフトボールでピッチャーをやっている映像の再生数は51.9万回を記録し、注目度の高さを物語っている。

 TV番組でも元気な姿を見せてくれた。生出演した3月中旬の「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント特別編」では、上田桃子の「大きくなった?」というツッコミに対して、「ぷくぷく太りました!」と返すなど笑顔を振りまいた。

 この体重増加は、計算されたものだった。開幕前週の15日(月)に開催されたオンライン記者会見では、「トレーニングで体重が3〜4キロ増えた」と体が大きくなった理由を披露。ファンに見てもらいたい点として、ドライバーの飛距離をあげており、さらにパワーアップしたプレーにも期待だ。

全英女子OP出場を決めた記念すべき大会

昨年の「アース・モンダミンカップ」で4位に入り、全英女子オープンの出場権を手にした 【Getty Images】

 昨年の「アース・モンダミンカップ」では初日24位タイ、2日目10位タイ、3日目6位タイと徐々に順位をあげ、最終的には単独4位に。この結果、通算獲得賞金額の順位が8位から3位にジャンプアップし、狙っていた「全英女子オープン」の出場権を手にした。日本だけでなく世界が注目を集めた全英女子オープンでの「スマイルシンデレラ」の活躍は、この大会の躍進からチャンスをつかんだのだ。

 渋野の昨シーズンの優勝スコアを見ると、「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」と「資生堂アネッサレディスオープン」が12アンダー、「デサントレディース東海クラシック」が13アンダー、「大王製紙エリエールレディスオープン」が19アンダーと好スコアが多い。「アース・モンダミンカップ」も例年好スコアが出ており、伸ばし合いの試合が強い渋野にとっては好相性な大会だ。

 昨年、全英女子オープン出場という大きな飛躍へのきっかけをつくってくれた大会で、今年はどんなプレーを見せてくれるのか? 今年の目標を「悔いのない1年にしたい」と話した渋野にとって重要な今季初戦がまもなく開幕する。
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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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