鹿島の名スカウトが明かす“獲る側”の苦労 コロナ禍での補強の影響と試される決断力
※インタビューは5月15日に実施した
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“最後の確認”ができない
残念だったのは3月のデンソーチャレンジカップの開催中止。地方大学の選手を見極める機会が失われた。写真は法政大時代にデンチャレに出場した現鹿島の上田綺世 【竹中玲央奈】
大学4年生や高校3年生はかわいそうですよね。去年から今年の頭にかけて進路が決まった選手は良いですが、最上級生となった今年、大学生で言うと前期のリーグ戦や総理大臣杯予選で最後のチェック、見極めをして、オファーするかどうかを決めたいクラブは多かったと思います。最後の確認をしたいクラブと、最後の年で伸びる可能性のあった選手にとっては不運と言うしかありません。
──大学生の場合、3月のデンソーチャレンジカップ(デンチャレ)がなくなったのは大きいと思います。地方の大学生がアピールするチャンスが失われました。
とても大きいですね。地方の大学選抜の選手が関東選抜や全日本大学選抜を相手に活躍して、スカウトの目につき、追い始めることは多々あります。春のリーグ戦でその選手を見に行くかどうかを、デンチャレで決めるという流れなので。
──3年生である程度試合に出ていて、「間違いない」という判断をされた選手も、これから出てくる時期でしたよね。
各クラブでも数名リストとして持っていると思います。そういった選手はおおかた大丈夫だと思いますが、やっぱり“最後の確認”をしたい選手もいます。“迷っている選手”。これがけっこう多いと思いますね。
──例えば、柏の瀬川祐輔(明治大出身)や江坂任(流通経済大出身)などは、最終学年でグッと伸びた印象がありました。彼らのような選手が出てこない可能性もあると?
毎年そういったケースはありますよね。もともと何チームかチェックしているけど、「どうだろう」と思われている選手が、秋にグッと良くなってプロ入りを決めるということもありますから。今年は少し難しそうですよね。
──ストレートに伺いますが、鹿島の場合はどうですか?
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