映画『レスラー』でLiLiCoが訴えたいこと 命をかけて、何のために彼らは戦うのか?
命をかけて戦うレスラーの本質を知ってほしい
プロレスラーは何のために命をかけて戦うのか。この映画を観るとその答えがわかるかもしれない 【(C)2008 OFF THE TOP ROPE INC. AND WILD BUNCH.】
プロレスデビューを果たして間もない頃、北斗晶さんとトークショーをしたことがあるんです。北斗さんが仰ったのは『プロレスラーと結婚するなよ』ということ。それはなぜかと尋ねると『(夫である佐々木)健介の試合がある日は生きて帰ってくるのか、帰ってこないのかが心配で仕方がないのよ』と。本当に命がけで仕事をしているのがプロレスラーだと思うんですよ。その魅力的なプロレスラーを下に見ているところが嫌だったんです。
高山(善廣)さんも試合中にケガをされて(頸髄損傷および変形性頚椎症、2017年)、体が思うように動かない。あれが起こり得る。ちょっと落ちどころが悪かっただけで身体的に重大な事故が起こるんです。
その危険と隣り合わせの状況で、みんなが貧しい思いをして、狭いバスで移動して、自分たちでリングを組み立てている。それは一般にはあまり知られていないことだと思うんです。
そういう世界に生きるレスラーは優しい人々ですよね。私がプロレスでデビューしたばかりの頃、パーティーに出席したら、どのレスラーも性別やキャリアに関係なく「頑張れよ」と声をかけてくれましたし、ベルトを触らせてくれましたし。リングに入れば命がけで、いろいろなキャラクターを表現しますけど、気遣いがすごい。
プロレスというスポーツの核心に迫りながら、父と娘との愛を描いた感動ストーリーだ 【写真提供:日活】
2本とも、トゥーマッチすぎないのがいいですね、どちらもプロレスだけでなく人間ドラマですから。根底には、何かのため、誰かのために頑張る姿勢がある。
プロレスラーは憧れるに足る職業であるということを伝えたいですね。
(企画構成:株式会社スリーライト)
LiLiCo(映画コメンテーター/タレント)
【写真提供:プランチャイム】