連載:怯まず前へ 常に結果を出し続けるチームと強い心の作り方

東洋大の目指すチーム論 継続的に勝つために必要なこと

酒井俊幸
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第4回

佐々木功・元監督がデザインした東洋大陸上競技部の「TU」マークが入ったユニフォーム(写真は設楽悠太) 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 東洋大陸上競技部のユニフォームは鉄紺色で、胸に「TU」のマークが入っています。

 TUのデザインは、「LSD理論(長距離トレーニング法の一種)」を広く普及させた佐々木功・元監督がデザインしたと聞いています。
 私はTUのデザインが好きです。ユニフォームはインカレ用と駅伝用があり、デザインは異なります。

 学生時代、インカレ用のユニフォームは4年間一着のみで、自分で購入しましたが、駅伝用のユニフォームは箱根駅伝の16人にエントリーされることで毎年支給されました。

 私は4年生の時に、エントリーメンバーに入りながらも走ることができませんでした。着用しなかったTUのユニフォームは、今も包装袋に入れたままの状態で大事にしまってあります。当時の悔しさをいつも忘れることはありません。それでも一生の宝物です。

 TUに対する想い入れは大きく、このTUをさらに光り輝くものにしていきたいと考えます。

 次代に向けてTUのブランド化を図るためにも、勝ち続ける、負けないチーム作りが必要だと私は思います。それには、仮に主力選手がケガをしても新たに戦力となる選手を輩出し、成績を落とさないチーム作りが求められます。

 優勝するためには、さまざまなレース状況や気象条件に順応できる個人のタフさや、変化に対応できるチーム作りが求められます。規律が強く、個性や個人の力が委縮されるようなチームでは勝てません。

 勝つチームは、1人のエースや指導者だけが組織を牽引するのではなく、部員それぞれに役割を与え、責任やリーダーシップを分散させるようなチームです。
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著者プロフィール

1976年福島県生まれ。学校法人石川高等学校卒業後、東洋大学に入学。大学時代には、1年時から箱根駅伝に3回出場。大学卒業後、コニカ(現・コニカミノルタ)に入社。全日本実業団駅伝3連覇のメンバーとして貢献。選手引退後は、母校である学校法人石川高等学校で教鞭をとりながら、同校の陸上部顧問を務めた。2009年より東洋大学陸上競技部長距離部門の監督(現職)に就任。就任1年目でチームを優勝に導くという快挙を達成、箱根駅伝では、優勝3回、準優勝5回、3位2回という成績を達成。

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