「ほし鱈と老記者の卓見」 若きC・ロナウドが過ごした7つの丘の街
「UEFA EURO 2004」決勝トーナメント準々決勝でアシュリー・コール(右)と競るロナウド 【Getty Images】
バルセロナを飛び立った飛行機はイベリア半島を横断し、大西洋にさしかかる手前でゆるやかに旋回する。
目下にはテージョ川の河口が大洋へ向けて広がっていて、機体はその上を滑るように降下していく。
ポルトガルはおそらくは西欧で唯一、いまだ古き良き欧州の空気が流れる国だ。リスボン空港から市街へと続く道はどこか牧歌的で、街角ではもくもくと煙を漂わせながら老婆が焼き栗を売っている。石畳の路が、リスボンを形成する無数の丘を登っては降ったりしている。ポルトガルの石畳は風情と情緒のみを考慮して作られているから、でこぼこと隙間だらけで、現地人であっても時々つまずいてしまう。
変わらない風景。もしかしたらこの街だけは発展や近代化とは永遠に無縁なのかもしれない。
古いフィアットの、もはや機能しているだけで賞賛すべきラジオは、スポルティングCPの試合中継を流していた。中年のタクシー運転手がため息をつく。
「近頃じゃスポルティングは全然だめだ。チームは外国人選手ばかりになっちまってね……。クリスティアノ・ロナウドみたいな若くて才能あるポルトガル人は、もういないんだ」
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