八村塁擁する男子バスケは上げ潮ムードも よりメダル獲得の可能性が高いのは女子だ
八村をはじめ伸び盛りのタレントが主力を担う男子バスケは延期をメリットにできるかもしれないが、とはいえ強豪国がひしめくだけに、厳しい戦いが待ち受けていそうだ。むしろメダル獲得の可能性が高いのは、2大会連続出場となる女子バスケ、そして東京五輪から正式種目に採用された「3×3バスケットボール」のほうだろう。
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アメリカ人の「五輪愛」は世界最高レベル
NBAのワシントン・ウィザーズで中心選手として活躍する八村。彼や渡邊など好タレントを擁する日本の男子バスケ代表だが、現実的には本大会での「1勝」も簡単ではない 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
東京五輪のバスケットボール(5人制)には、男女12チームずつが参加する。みなさんもご存じのように、大会は2021年まで延期となったが、現時点で出場を決めている男子の代表チームは下記の8カ国だ。
昨夏に開催されたワールドカップ(W杯)中国大会は五輪の予選を兼ねており、各大陸の上位が「東京行き」の資格を得ている。残る4カ国は来年開催される世界最終予選で決まる予定だ。
■FIBA(国際バスケットボール連盟)による推薦出場:開催国
日本(FIBAランキング40位)
■アメリカ大陸
アメリカ(同1位)
アルゼンチン(同4位)
■ヨーロッパ
スペイン(同2位)
フランス(同6位)
■アフリカ
ナイジェリア(同23位)
■アジア
イラン(同22位)
■オセアニア
オーストラリア(同3位)
※2020年3月3日発表のFIBAランキング
言うまでもなく世界最高峰のリーグはNBA。30チーム450選手のおおよそ4分の3(340名強)はアメリカ人だ。
W杯中国大会を制したのはスペインだった。ポイントガード(PG)のリッキー・ルビオ、マルク・ガソルといったNBAのスター選手を擁するだけでなく、連携、守備の緻密さといったチーム力で勝利をつかんだ。
準優勝のアルゼンチンは、PGファクンド・カンパッソの正確かつ創造的なプレーが圧巻だった。身長は180センチ前後と「小型」で、29歳ながらNBAのキャリアは持っていない。しかし実際にプレーを目にすれば、そのすごみを感じてもらえるだろう。
フランスは準々決勝でアメリカを下し、3位に入った。アメリカ戦で21得点・16リバウンドの大活躍を見せたのが216センチのビッグマン、ルディ・ゴベールだった。NBAでも18-19シーズンの最優秀守備選手賞を受賞しており、参加すれば注目選手の一人だろう。
W杯こそ7位にとどまったアメリカだが、東京五輪では優勝候補の筆頭だ。W杯ではケンバ・ウォーカー、ドノバン・ミッチェルのようなオールスタープレーヤーもメンバーに入っていたが、総力を結集したとは言い難い陣容だった。
しかし、五輪となれば話は違う。アメリカ人の「五輪愛」は世界最高レベルで、選手たちのモチベーションも高い。2月に発表されたアメリカ代表の候補メンバーにはレブロン・ジェームズ、ステファン・カリー、ケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンらスター中のスターが名を連ねている。NBAの日程と重ならないかぎり、そんな一流選手のプレーを来年夏の東京で見られるはずだ。
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