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山田哲人が侍ジャパンに不可欠な理由
卓越した選球眼と、短期決戦での修正力

メジャーリーガーも認める選球眼

2014年の初選出から侍ジャパンの常連となっている山田哲人。そのストロングポイントとは?
2014年の初選出から侍ジャパンの常連となっている山田哲人。そのストロングポイントとは?【Getty Images】

 22歳で迎えた2014年の日米野球で初めて日の丸を背負って以来、山田哲人(東京ヤクルト)は侍ジャパンに不可欠な選手であり続けている。


 日本代表デビューを飾った4年後の同シリーズで、「メジャーリーグ屈指の捕手」と評されるJ.T.リアルミュート(フィリーズ)が柳田悠岐(福岡ソフトバンク)と並んで最も印象に残った打者として挙げたのが、山田だった。


「打席でのアプローチが素晴らしい。投球に対していいスイングをしていると思う。じっくりと構えて、ストライクゾーンから外れる球にはあまり手を出さないよね」

 山田の優れた能力は多岐に渡るなか、特筆すべきはリアルミュートも認めた選球眼だ。19年シーズンにはセ・リーグ最多の110四球を選んでいる。ボール球に手を出さず、有利なカウントをつくって強いスイングで確実に仕留めていく。


 それこそ、「勝負強い」と言われるプレーの源泉だ。日の丸を背負った山田は何度も印象的な活躍を見せているなか、とりわけ強い記憶を残したのが17年、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次ラウンドのキューバ戦だろう。シーソーゲームとなったこの一戦で、1番に入った山田は初回に先頭打者本塁打を放つと、1点リードで回ってきた8回の打席ではレフトスタンドに2ランを運び、勝利を大きく引き寄せた。


 スライダーを狙い打った2本目の本塁打を、山田はこう振り返っている。


「スライダーが来ると思って、スライダーに絞ってフルスイングという感じでいきました。その前の打席は得点圏でそのスライダーを空振り三振しています。三振ゲッツーという最悪なパターンで終わったので、引きずらないように、前向きに打ちにいきました。(切り替えられる理由?)気持ちに波があれば、結果にも影響が出ます。それは3年前くらいから、プロ野球選手になって一番学んだことなので。切り替えが大事と、常に忘れないようにしています」

山田ひとりで戦いの幅が広がる

 短期決戦における修正力も山田の強みだ。17年のWBC、そして決勝の韓国戦で逆転3ランを放った19年のプレミア12と、決して良い状態で大会を迎えたわけではない。それでも勝負どころに向けて修正していけるのは、技術と引き出しの多さがあるからだろう。


 高卒4年目に年間最多安打に輝いて以降、山田が積み重ねた数字を見返すと、圧巻の一言だ。打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を3度達成。OPS(出塁率+長打率)が「1.000」を超えた年が3度ある。さらに、過去4度も30盗塁以上を記録し、3度の盗塁王に輝いている。


 稲葉篤紀監督の信頼は厚く、東京五輪でも代表入りは間違いない。本職のセカンドに加え、ファーストを守ることもできる。打順は、メジャーリーグに移籍した秋山翔吾(レッズ)が任されていた1番や、足と長打力を生かせる2番、あるいはクリーンアップに置いてもいい。山田ひとりの存在で、チームは戦いの幅が大きく増すのだ。


 28歳で迎える東京五輪、初めて日の丸を背負ってから順調なキャリアを歩む山田は、金メダルの鍵を握る一人だ。

【動画予告】山田哲人選手に10の質問


「日の丸のユニフォームは似合っていると思う?」「侍ジャパンで守りたいポジションや打ちたい打順がある?」など、山田哲人選手に10の質問を直撃!

フル尺動画は下記リンクよりご覧ください!(スポーツナビアプリ限定)。

中島大輔
中島大輔

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた『野球消滅』(新潮新書)。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』がミズノスポーツライター賞の優秀賞。

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