連載:ドライブラインの正体〜最新鋭の野球に迫る〜

野球界の最先端・ドライブラインへ潜入 根底を成す2つのプログラムとは?

丹羽政善
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ロッテの5選手がドライブラインに参加

(左から)二木、成田、バウアー、小島、種市、中村稔。ロッテの若手5選手がドライブラインで最先端のトレーニングに触れた 【丹羽政善】

 昨年11月25日(現地時間)、種市篤暉ら千葉ロッテの5選手がドライブライン(米・シアトル郊外)を訪れた。

 時差ボケで、前日は眠れなかったという選手もいる中、まず彼らが行ったのが「アセスメント」だった。まずは順番に、重いボールを使った一連のウォームアップの指導を受ける。

 重いボールで練習をすることで球速が上がるという短絡的な考え、また、自己流で練習して故障を招く例もあり、その目的や付随するトレーニングに関しても、トレーナーが1対1で実践しながら教えていた。

 その後、キャッチボールで肩を温めてから、いよいよモーションキャプチャー。全身に48個のマーカーを取り付け、10のセンサーで体の動きを追う。バイオメカニストがデータの計測を担当し、分析にかけた後、トレーナーと共有。問題点があれば、その改善を目的としたメニューをバイオメカニストとトレーナーが相談して組んでいく。そのデータはもちろん、選手にもフィードバックで伝えられる。

 解析に時間がかかるので、初日はその後、リカバリープログラムのメニューを学び、フィジカルセラピーを受けるというのが大体の流れ。

 トレーナーには、トレーニングの理論だけでなく、データを読み解く知識も求められるが、例えば、動作解析ではどんなことが分かるのか。

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動作解析で洗い出される問題点

データを分析するスペンサー・メディック。選手の弱点が次々と指摘された 【丹羽政善】

「この投手の場合は……」

 そう言いながら説明してくれたのは、福岡ソフトバンクが宮崎で行った秋季キャンプ、藤浪晋太郎(阪神)らが沖縄で行ったセッションにも参加したリードスローイングトレーナーのスペンサー・メディック。
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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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