MLBが支援する野球学校に潜入 日本と異なる「未来」を見据えた教育法
“金の卵”を計画的に育成
昨年ロッテに在籍したケニス・バルガスが卒業したネクスト・レベル・アメリカ・アカデミーの選手たち 【撮影:龍フェルケル】
1988年までは町のチームで自分の好きなように腕を磨き、才能豊かな選手は16歳になったらMLBの球団とフリーエージェントで契約を結んだ。しかしドラフトを経てMLBに進むようになり、“金の卵”を計画的に育てるように変わったのである。
「ドラフトに組み込まれる以前は、現在より多くの選手がプロになっていたかもしれない。フリーエージェントだから誰でも契約することができた。でも今のプエルトリコには質の高い選手がより多くいる」
プエルトリコ・ベースボール・アカデミー・アンド・ハイスクールの校長で、タンパベイ・レイズのスカウトも務めるヒル・マルティネスはそう話した。2002年に元メジャーリーガーのエドウィン・コレアによって設立された同校は、プエルトリコに約10校ある野球に特化したアカデミーの先駆けだ。
同校出身のカルロス・コレアは2012年、プエルトリコ人で初めてMLBの全体1位で指名されてアストロズに入団した。レッドソックスで昨季138試合に出場した捕手のクリスチャン・バスケスや、過去2年続けて60試合以上に登板したジョー・ヒメネス(タイガース)も同校の卒業生だ。
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プエルトリコで最も豪華設備を誇るカルロス・ベルトラン・アカデミー。室内練習場では濃密なメニューが毎日行われる 【撮影:龍フェルケル】
ただし、日本の強豪私学とは決定的に異なる点がある。
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