ウオッカ超えた超速女王レシステンシア 5馬身差レコードVで桜花賞最有力筆頭へ

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北村友一GI3勝目、39歳の松下調教師はGI初勝利

レシステンシアが規格外のスピードで他馬を圧倒、2歳女王の座に就いた 【スポーツナビ】

 JRAの2歳女王決定戦・第71回GI阪神ジュベナイルフィリーズが8日、阪神競馬場1600メートル芝で行われ、北村友一騎乗の4番人気レシステンシア(牝2=栗東・松下厩舎、父ダイワメジャー)が優勝。好スタートからハナを切ると、そのまま後続を寄せ付けずに2歳女王の座に就いた。良馬場の勝ちタイム1分32秒7は、2006年にウオッカがマークした1分33秒1を0秒4上回るレコードタイム。

 レシステンシアは今回の勝利でJRA通算3戦3勝、重賞は2019年GIIIファンタジーSに続き2勝目。騎乗した北村友は同レース初勝利、同馬を管理する松下武士調教師は開業5年目でうれしいGI初勝利となった。

松下調教師はうれしいGI初勝利、鞍上の北村友は今年GI3勝目となった 【スポーツナビ】

 なお、5馬身差の2着には田辺裕信騎乗の6番人気マルターズディオサ(牝2=美浦・手塚厩舎)、さらにハナ差の3着には藤岡佑介騎乗の3番人気クラヴァシュドール(牝2=栗東・中内田厩舎)が入線。一方、単勝1.8倍の断然1番人気に支持されていた川田将雅騎乗のリアアメリア(牝2=栗東・中内田厩舎)は6着に敗れた。

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前半ハイペースで逃げ、上り3Fも最速

 真の怪物は別にいた――そんな驚きの阪神JFだった。勝ったのはダイワメジャー産駒のレシステンシア。圧倒的1番人気リアアメリアの競馬がどうこう言う余地がないくらいの圧勝劇。来春の桜花賞がハッキリ見えた勝ちっぷりだった。

「馬に感謝です。強かったです」

 レース後の共同インタビューで、コンビを組む北村友が笑顔を弾けさせた。戦前のプランは、逃げ一本というわけではなく、「五分にスタートを切れたら、スピードがある馬なのでハナもあるかな」。果たしてレシステンシアはポンと好発でゲートを飛び出すと、自然と逃げる形に。ただ、北村友自身は位置取りよりも「なにせスピードがあるので、いかにリラックスして力を抜いて走れるか」を重点に置いていたようだ。

 前半600メートルの通過は33秒7、ラップにすると12.2−10.5−11.8。昔の小回り阪神マイルならいざ知らず、外回りマイルコースでこのペースは明らかに速い。そうでなくてもデビューから2戦を1400メートルで使ってきた馬。1ハロン延長の課題もあった。しかし、そんな心配がいかに小さいことかと思わされる衝撃の走りがこの後に待っていたのだ。

最後の直線は後続に詰め寄られるどころか、むしろ引き離すほどの強さ、速さを見せつけた 【スポーツナビ】

「スタートしてから向こう正面でも、3、4コーナーでも、確かにペースは速いなとは思っていましたけど、力を抜いてリラックスして走っていました。想定通りに運べたかなと思います」

 直線入り口では一時的に差を詰めよられたが、坂を駆け上がるごとに後続との差は縮まるどころか、離れていく一方。逃げたレシステンシアではなく、後方から追いかけた馬たちの方がハイペースの影響でバテているようだった。リアアメリアをはじめ中団後方で脚をタメていた馬たちも伸びてくる気配はない。いや、それなりに脚を伸ばしているのかもしれないが、先頭を走るレシステンシアが、あのハイペースで前半を入ったのにも関わらず、上がり3ハロンもメンバー最速の35秒2を叩き出したのだから、後続は追いつけるわけがない。まさにテン良し、中良し、しまい良しで2着につけた着差はなんと5馬身。非の打ちどころがない競馬で2歳女王の座を得るとともに、3歳桜の女王筆頭候補に躍り出た。

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