仙台に帰った由規が振り返るこの1年 “まさか”だった最終戦の移籍後初登板
「しっくりきていなかった」と反省の移籍1年目
11年目の今シーズン、故郷・仙台に帰ってきた由規。新天地での1年を振り返った 【写真:パ・リーグインサイト】
だから、“今季を振り返ってください”という問いに対して、本人の口からまず反省の弁を聞くことになるとは思ってもいなかった。
「支配下を目指してやっていくなかで、『とにかく結果を残さないと』という思いでやっていたのは間違いないですが、自分の中では調子の波を感じていたり、しっくりきていない部分がありました」
ヤクルト時代の2016年にも経験した支配下復帰。由規にとって、もちろんそれは一軍という土俵に上がるための権利を手にしたにすぎない。3度目となる支配下の公示は「どう一軍で結果を残すか」を由規に痛感させた。
「育成の時は、とにかく内容よりもゼロで抑えないといけないという気持ち。支配下になってからもその気持ちは変わっていないと思ったんですけど、投球内容をより求められるようになると意識はしていたんです。だから、支配下になって調子が落ちてきたとき、やっぱり周りの見る目も変わってきたと思いました。自分でもプレッシャーをかけてやっていたつもりなんですけど、あまり結果がついてこなくて。ちょっと慌てているというか……なんだかモヤモヤしていました」
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防御率1点台も「結果がついてこなかった」二軍の日々
【動画】由規、一軍昇格前最後の登板で古巣を三者凡退に封じる 映像提供:パーソルパ・リーグTV
「結果的に見たら防御率などはいいのかもしれないですけど、内容は満足できなくて。ファームでもショートイニングや、1イニングのみという登板が多かったのですが、求められているのは3イニング、4イニングをしっかり抑えること。ですがその立ち上がりや、あらかじめイニング数を言われているなかでの1イニング目が攻めきれていなかった。そこがあまり自分では納得いっていなかったんです」
ようやく自身の納得がいく投球ができたのは、9月7日のファーム公式戦後、ブルペンで調整を行っていたときだったという。
「そのブルペンの調整で自分のなかでしっくりくる投球ができるようになったので、結果的にいい調整だったと言っていいかわかりませんが、自分の感覚もよくなってきたなというときに(一軍に)呼ばれて。登板間隔が2週間ほど空いていたので、まさか最終戦に合流するとは思ってもいなかったですね。正直びっくりしました」
その由規の最終戦の登板を誰よりも待ちわびてきた人たちがいる。仙台の家族だ。