プレミアリーグ2019-20
リバプールに黄金期到来?
名門を復活に導いたクロップのすごさとは

アプリ限定

70〜80年代の黄金期以降、マンUをはじめとするライバルクラブの後塵を拝してきたリバプールに、真の強さを取り戻したクロップ。イングランドきっての名門を復活に導いた功績は計り知れない
70〜80年代の黄金期以降、マンUをはじめとするライバルクラブの後塵を拝してきたリバプールに、真の強さを取り戻したクロップ。イングランドきっての名門を復活に導いた功績は計り知れない【写真:ロイター/アフロ】

 プレミアリーグで開幕から8連勝と、今季のリバプールは圧倒的な強さを見せている。9節にマンチェスター・ユナイテッドと引き分けて連勝はストップしたものの、9節終了時点で2位マンチェスター・シティに早くも勝点6差をつけて首位を快走。チャンピオンズリーグを制した昨季に続くこの強さを見ると、1970年代から80年代にかけて築いた黄金時代が、30年ぶりに再現されるのではという期待も高まってくる。この強さの秘密はどこにあるのか。そう考えた時に、最初に浮かび上がってくるのはやはり指揮官ユルゲン・クロップの顔だろう。就任5年目のこのドイツ人監督の「すごさ」を改めて探りたい。

すべての側面を進化させてきた

 ユルゲン・クロップは2015-16シーズンの開幕間もない15年10月に、ブレンダン・ロジャース(現レスター監督)の後任としてリバプールの監督に就任した。以来、チームの陣容、戦力から、戦術、そしてメンタリティーまで、すべての側面を着実に進化させ、それに伴ってピッチ上の結果も積み上げてきた。


 2シーズン連続でチームをチャンピオンズリーグ(CL)決勝に導き、昨季はそれを制して欧州王座をもたらした今、次の目標はロジャース監督時代の13-14シーズンにラスト3試合で息切れして逃したリーグタイトルだろう。信じられないことだが、もしこれが実現すれば、リバプールにとっては「プレミアリーグ」初制覇となる。最後にリーグ優勝したのは今から30年も前、まだリーグの名称が「ディビジョン1」だった89-90シーズンのことなのだ。


 クロップはシーズン開始2カ月という中途半端なタイミングで監督に就任した時、「ヘヴィーメタル・フットボール」といういかにもマスコミ/サポーター向けのキャッチフレーズを打ち出す一方で、「私が考えるチームが完成するまでには4年はかかる」と語り、時間をかけて段階的にチームを構築・強化していく必要性を訴えた。おそらくオファーを受け入れる時点からその点についてクラブと話し合い、合意を得ていたのだろう。実際、就任から現在までちょうど4年となるリバプール監督としての歩みは、きわめて計画的かつ段階的なものだったと言える。


 クロップが「ヘヴィーメタル・フットボール」というキャッチフレーズを通して打ち出したのは、攻撃と守備の両局面で常に高いインテンシティーを保ち、ボールを失った時にもゲーゲンプレッシングで即時奪回してゴールを目指すアクティブでアグレッシブな姿勢だった。「ヘヴィーメタル」という言葉は当時ほど使われなくなったが、この4年間を通して変わることなく貫いているのが、「インテンシティー」と「アグレッシブネス」であることは間違いない。とはいえ、それをピッチ上で表現するやり方には、チームが進化し、成熟するにつれて幅とバリエーションが出てきた。


 以下、クロップがこの4年間でチームをどう進化させてきたかを、いくつかの側面から具体的に見て行くことにしよう。

ロベルト・ロッシ

現在はチェゼーナの女子チーム(セリエB)を指揮するイタリア人監督。選手時代には、育成年代でのちの名将アリーゴ・サッキに師事。ヴェネツィアではアルベルト・ザッケローニ(元日本代表監督)の下でプレーし、引退後はラツィオやインテルなどでそのザッケローニのスタッフを務めた。その後はイタリア国内の下部リーグで監督を歴任。他国のサッカーにも造詣が深く、イタリア在住のジャーナリスト片野道郎氏とのコンビで、『ワールドサッカーダイジェスト』を中心にアナリストとしても活躍中だ。チェゼーナ生まれの57歳。

スポナビDo

イベント・大会一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント