

ともに長い歴史と伝統を誇るマンチェスター・ユナイテッドとアーセナル。近年はそろってプレミアリーグの覇権から遠ざかっているが、90年代半ばからのおよそ10年間は“2強時代”を築き、リーグタイトルを分け合ってきた。当時は今以上に両者のライバル意識はすさまじく、試合中に両チームが入り乱れた騒動が起こることも少なくなかった。ここではマンチェスター・Uのホームゲーム限定で、現地記者に過去の名勝負を5つ選んでもらった。
アーセナルがライバルの前で優勝決定

名勝負(1)
01−02プレミアリーグ(02年5月8日)
マンチェスター・U 0−1 アーセナル
本当ならこの試合は、ユナイテッドを率いるサー・アレックス・ファーガソン監督にとって、最後のホームゲームとなるはずだった。
スコットランド出身の名将は、イングランド史上初のリーグ4連覇をもって、長い指導者生活にピリオドを打つつもりでいたのだ。しかし、現実には当時の最大のライバルだったアーセナルに国内2冠を許している。それが決まったのが、このオールド・トラフォードでの直接対決だった。
11月にもユナイテッドは敵地で1−3の敗北を喫していた。その試合で決勝点とダメ押しのゴールを決めたティエリ・アンリ──ユナイテッドのGKファビアン・バルテスのミスもあったが──は、このリターンマッチを負傷で欠場。さらにデニス・ベルカンプもベンチスタートとなっていた。4日前にチェルシーを下してFAカップを制していたガナーズ(アーセナルの愛称)は、最終節のエバートンとのホームゲームまでリーグの優勝争いはもつれると見越し、前線の主力にここで無理をさせなかったのだ。
こうした状況で、エース不在を感じさせない働きを披露したのが、ヌワンコ・カヌーとシルバン・ビルトールの2トップだった。
両チームを通じて6枚のイエローカードが提示される熱戦は、後半に入ってスコアが動く。フレデリック・リュングベリの打ったシュートのこぼれ球をビルトールが詰めて、57分にアーセナルが先制。主砲ルート・ファン・ニステルローイをベンチに置いて人々を驚かせたファーガソン監督は、失点直後にようやくエースを投入したものの、最後まで同点ゴールは奪えなかった。
すでに、この日を迎える前に監督引退を撤回していたファーガソンだが、試合後にアーセナルサポーターが「ファーガソン、タイトルを返納せよ」と歌う声を聴いて、あらためて雪辱を誓ったに違いない。その証拠に、ユナイテッドは翌シーズン、きっちりリーグタイトルを奪還している。
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